「名義預金」と相続税

名古屋で相続のセミナーをやらせていただいていると,たまに,「毎年110万円ずつ子どもの通帳に振り込んでいる。贈与の契約書を作っておけば相続税はかからないんですよね?」と聞かれることがあります。

相続に不慣れな専門家や一部の事業者のなかには,誤った理解でこのような相続のアドバイスをしていることがあるようですが,これは,「単なる子ども名義の預金で実質は親の財産」だとして,相続税の課税対象とされることがあります。

確かに,現在の相続税法では,毎年110万円までの贈与では贈与税はかかりません。

この点を活用した相続税対策を勧める方はたくさんいます。

しかし,子ども名義の通帳に110万円を毎年振り込んでいても,その実体が贈与ではなく,親が管理している財産と同義のものだとみなされると,子どもの「名義預金」だったとして,相続税の課税対象となります。

単なる「贈与契約書」という形式があればよいのではなく,子ども自身が親から「贈与を受けた」という実体が伴わなければ,税務署から否認されますので,注意が必要です。

生前贈与を含めた相続税対策をご相談されたい方は,名古屋駅のすぐ近くにある税理士法人心にご相談ください。

相続案件では,税理士法人心の税理士だけでなく,弁護士法人心の弁護士や司法書士事務所の司法書士もチームで対応させていただきますので,お気軽にご相談ください。

司法試験の予備試験の問題をAIが的中

司法試験の予備試験の問題を,AIが約60%的中させたというニュースを見ました。https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/20/news122.html

過去問等からデータを蓄積して,出題予想をさせる方法は,AIが得意とするところなんでしょうね。

司法試験の法律問題は,旧司法試験も含めると膨大な量がありますので,これからはもっと的中率があがるのかもしれませんね。

法律改正があった箇所は難しいのかな?とも思いますが,過去問と法律の改正情報のデータを蓄積させると,法律改正にすら対応した出題予想が可能になるかもしれません。

短答式試験は弁護士になるための最低限の知識を身につけるための試験ですが,私は苦手だったので,こういう技術を司法試験予備校が導入してくれると,試験対策的な意味ではすごく助かります。

他方で,こういった傾向が進むと,安易に「的中率の高い予備校の試験を受けとけばいいや」ということで,出題者の出題意図を考える,といった考える力が身につかなくなるのかな,とも思わなくはないです。

ただ,資格試験は,一定の資格を取得するための試験にすぎません。

大事なことは,資格を取ってから何をするか,という方なので,試験対策自体が効率的にできるようになることは,個人的には賛成です。

弁護士の業務でも,判例の蓄積から作成されているデータベースがありますが,これからの時代ではますます加速していきそうです。

依頼者の方から,損害賠償の額は?過失割合は?実刑?執行猶予?懲役何年くらい?と聞かれて,判例を調べてお答えして・・・とそのような業務はAIに取って代わられるんでしょうね。

【相続法改正】相続人以外の者が貢献した場合の特別寄与料

相続に関する民法の改正で,相続人以外の親族が,被相続人に対する療養看護その他の労務の提供により,被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をすると,特別寄与料という金銭を請求できるようになりました。

これまで,例えば,長男の妻が,義理の父親の面倒を見たり,義理の父親の事業を手伝っていたとしても,長男の妻の貢献はあくまでも相続人である「長男の貢献の一部」としてしか評価されませんでした。

今回の法改正では,被相続人の「親族」(①6親等内の血族,②配偶者,③3親等内の姻族)であることが要件となっていますが,特別の寄与をした場合に貢献に応じて,特別寄与料を請求できる者の範囲が広がりました。

ただ,弁護士としては,法律上・実務上の問題点も気になります。

特別寄与料の請求は,あくまでも,「特別の寄与」であることが必要です。

ですので,これまでも扶養義務が存在する相続人の場合は,その「扶養義務」(民法877条1項)の範囲を超えるほどの「特別な」寄与が必要でした。

今回の法改正で特別寄与者として認められた「親族」のなかには,民法上の「扶養義務」を負っていない者も含まれますので,法解釈上は,「扶養義務」を負っている親族が行った貢献と「扶養義務」を負っていない親族が行った貢献では,「扶養義務」を負っていない親族が行った貢献の方が,「特別な寄与」として認められやすいのではないか,という解釈があり得ます。

果たしてこれが妥当なのか,どこまで認められるのか,という点は,今後の裁判例の蓄積を待たなければなりませんが,弁護士としては,どこまで認められるのかはっきりしない特別寄与料に頼るのではなく,貢献してくれた方には,遺言書を作成し,遺贈でその貢献に報いてあげて欲しいところです。

【相続法改正】配偶者居住権の価額と相続税

先日,配偶者居住権の金銭的価値の計算方法について記載しました。

今回はその続きとなります。

現在の法制審議会の部会資料では,「長期居住権(配偶者居住権)付の所有権」よりも,「長期居住権(配偶者居住権)」の方が,金銭的には高く評価される場合があります。

これは,感覚的にはよくわかる話です。

配偶者居住権,というものが権利として認められた以上,第三者は「配偶者居住権付」の所有権を購入しても,「誰かに住み続けられてしまう」所有権しか手に入りませんので,いわゆる「完全な」所有権よりもはるかに価値が劣ります。

この問題点として,主に税理士の先生からは以下のような指摘がされています。

つまり,その後に配偶者が死亡すると,「配偶者居住権」は消滅し,建物を相続していた相続人は,「完全な」所有権を手にすることになります。

このときに,当該相続人には新たな「経済的価値」が流入したと考えることもできるのではないか?ということです。

これは,理論的にはあり得なくはないのですが,現在の法制審議会の議論では,このようには考えないようです。

ですので,当該相続人にかかる相続税は,一次相続時の「配偶者居住権付の所有権」を相続したときの価額で計算することになりますので,「完全な所有権」を相続したときよりも低い金額になることが想定され,節税になるのではないかと言われています。

確かに,現時点では節税になるように思えます。

しかし,この制度はまだ開始されていないので,国税庁がこの点について通達等で課税する可能性が全くないとはいえません。

なによりも,弁護士としては,一次相続時に「配偶者居住権付の所有権」が「完全な所有権」よりも低い金額で評価されることで,他の共同相続人が不公平感等を感じ,争いの種になるのではないかと危惧しています。

また,配偶者居住権は,遺産分割協議に相続人全員が同意するか,遺言書に記載することで認められますが,平成32年4月1日以降に亡くなった方に適用されます。

相続税に関してはこちらのサイトをご覧ください。

【相続法改正】配偶者居住権の新設と権利の金銭的価値

以前のブログで,相続に関する民法改正で「配偶者居住権」という権利が新設されることをご紹介させていただきました。

これは,報道番組でもよく焦点を当てて報道されていますので,耳にされた方も多いかもしれません。

今回は,こちらの権利の「金銭的価値」について記載します。

法制審議会の部会資料によりますと,建物の固定資産税評価額は,①長期居住権付所有権の価額と②長期居住権の価額を合算した額とされています。

そして,①長期居住権付所有権の価額とは,

固定資産税評価額×法定耐用年数ー(経過年数+存続年数)/法定耐用年数ー経過年数×ライプニッツ係数

とされているようです。

そして,②長期居住権の価額は,固定資産税評価額から①長期居住権付所有権の価額を差し引いた額とされるようです。

上述した①長期居住権付所有権の価額の計算方法は少々わかりにくいですが,ようは,配偶者が亡くなった際に,他方の配偶者が若ければ若いほど価値が高くなるし,築年数が少なければ少ないほど価値が高くなる計算のようです。

具体的な金額はケースバイケースですが,法制審議会の部会資料で例として挙げられているケースですと,「築20年の鉄筋コンクリート造で固定資産税評価額1000万円のマンションの一室を,70歳の女性配偶者が相続した場合」のケースとして,

①長期居住権付所有権の価額が,143万円

②長期居住権の価額が,857万円

として計算されています。

つまり,所有権よりも,長期居住権の方が高く評価されているようです。

この点について,弁護士・税理士の立場から非常に気になることがありますので,そちらを次回のブログで記載したいと思います。

【相続法改正】自筆の遺言書を法務局が預かってくれる?

今回の民法の相続に関する法改正は,約40年ぶりの大幅改正ですので,弁護士をはじめとして,たくさんの専門家が注目しています。

民法の法改正に合わせて,「遺言書の保管等に関する法律」ができました。

この法律によって,自筆の遺言書を法務局に保管してもらう制度ができました。

これまで,自筆の遺言書は自宅に保管したり,銀行の貸金庫に保管したり,自分で保管しなければならなかったため,紛失したり,改ざんが疑われたり,様々な問題がありました。

今回の法改正で,法務局で保管してもらうことができるようになりますので,紛失の危険は,これまでよりもずっと少なくなります。

また,法務局に預けた自筆の遺言書の場合,これまでの運用と異なり,家庭裁判所による検認手続きを経なくてもよいと改正されました。

検認手続きとは,家庭裁判所で遺言書が保管されていた状態をチェックし,記録に残す手続きですが,この手続きを行うために他の相続人に連絡しなければならないなど,手間や他の相続人と無用なトラブルを招きかねないリスクがありましたが,今回の改正で検認も不要となりました。

ただ,注意が必要なことは,法務局はあくまでも保管をするだけで,内容のチェックをしてくれるわけではありません。

あくまでも形式面での簡単なチェックにとどまるようですので,遺言書を無効としないためにも,作成時には遺言書を日頃から作成している弁護士に相談することをお勧めします。

遺言に関して弁護士をお探しの方はこちら

【相続法改正】自筆証書遺言の方式緩和?

最近,TVの朝のニュース番組でも民法の相続改正について特集されていますね。

弁護士等の士業が見る雑誌ではなく,週刊〇〇みたいな一般の方向けの週刊誌でも相続に関する特集をよく見ます。

そのなかで,「自筆の遺言書が作りやすくなった!」みたいな記載をよく見ます。

具体的には,自筆の遺言書の一部をパソコンで作ることが可能になった~といった説明です。

ですが,これは少々誤解があります。

確かに,遺言書の一部をパソコン等で作成することができるようにはなりましたが,これはあくまでも,財産目録に限ります。

正確には,財産目録について,預金通帳や登記事項証明書等をパソコンで作成したり,これらの書類のコピーを添付する方法でも可能となりました。

ただ,これらの方法で作成した場合は,その目録の一枚一枚に手書きで署名し,押印する必要があります。

表と裏に両方記載がある場合は,両面ともに署名と押印が必要です。

なお,あくまでもこれらの方法で作成することが可能になったのは「財産目録」だけですので,遺言書の本文はすべて自筆で書かなければなりませんので,逆に混乱される方もおられるのではないかと危惧しています。

自筆で遺言書を作成された場合は,法律のルールに則っておらず,無効となってしまうことがよくありますので,作成される際は,弁護士に相談されることをお勧めします。

※こちらの法改正は,平成31年1月13日以降,適用されます。

注文者の帰責事由により履行不能となった場合の利益の内容

 請負契約締結後,工事途中に注文者の帰責事由により履行不能となった場合,「現行の民法では536条2項により,請負人の報酬請求権は出来高に限定されず,全額存続する。」というのが現在の最高裁の判例です(最判昭和52年2月22日)。

 したがって,請負人は,注文者に対し,①請負契約の締結,②工事完成債務の後発的不能,③②の履行不能が注文者の帰責事由であることを示す評価根拠事実,を主張立証し,請負報酬金額全額を請求することができます。

 これに対し,注文者は,①帰責事由に関する評価障害事実,②民法536条2項に基づく利益償還請求による相殺を抗弁として主張し得ます。

 この利益償還請求の内容は,請負人が工事完成債務を免れたことと相当因果関係のあるものと解されており,具体的には,未施工部分を完成するためにかかる人件費,材料費,ゴミ処理費,経費等のうち,いまだに支出されていないものとされています。

 ただ,実際に争うとなると,未施工部分を注文者が他の請負人に任せて完成させた場合,その完成までにかかった費用がすべて「利益」とまでいえるのか,非常に悩ましい問題があります。

 注文者の立場では,最初に頼んでいた請負人とは異なる請負人に頼み,続きから行って工事を完成させた場合,完成までにかかった費用全額を最初の請負人は支払を免れているわけですから,最初の請負人が得た「利益」であると主張したいところです。

 ただ,引き継いだ請負人も,いきなり完成までに必要な人工を大量に集めて施工する,ということは通常できませんから,多少,通常の相場よりも高めの人工代を支払って職人を集めるということもあります。

 このような場合,民法536条2項の利益償還請求は,あくまでも注文者に帰責事由があることを前提としていますから,”注文者に責めに帰すべき事由があるために高めの人工代が発生した”ということになるかと思います。

 そう考えると,”通常の相場と実際にかかった人工代の差額”の部分まで,請負人が支払を免れることができて得た「利益」といえる,とストレートに考えることには違和感があり,非常に悩ましい問題です。

 そもそも,「人工代」に関しては,熟練した職人であれば直しが入ることも少なく時間もあまりかからない=結果として,人工代があまりかからない。

 けれども,能力の低い職人であれば直しが入ることも多く時間が掛かる=結果として,人工代がかさむ。

 というある種の矛盾も抱えており,非常に算定するのが難しい側面があり,弁護士としてはいかに説得的に立証ができるか,腕の見せ所でもあります。

 利益の額について,裁判例等では,請負人が受けている他の同種の工事等の利益率等を参考に,「利益」の額を算定しているものもあるようです。

 これらの内容に具体的に踏み込んで記載した書籍は非常に少ないのですが,判例タイムズ2019年2月号No.1455の「建築訴訟の審理モデル~出来高編~」に記載があり,参考になりました。

 

年明け1月13日から自筆証書遺言の作成方式が緩和されます

先々月のブログでもご紹介したのですが,開始が近づいてきたので,再度,情報提供させていただきます。

2019年1月13日から,自筆証書遺言の作成方法が緩和されます。

現行の民法では,自筆証書遺言は,すべての文章を自書しなければならないと定めており,パソコン等で作成することが一切認められていません。

そのため,高齢の方にとって,遺言書を作る際のハードルの一つとなっています。

私たち弁護士に依頼された際も,公正証書遺言ではなく,自筆証書遺言を作成する際は,遺言書の文案自体は弁護士が作成し,誤りの無い文章を作成しますが,最後は依頼者の方にご自身で書いていただく必要があります。

不動産や預貯金,保険等が複数ある場合は,予備も作成しておくことも考えると,10枚以上の用紙に手書きで書かなければならないこともありますので,非常に手間暇がかかります。

今回の改正民法では,自筆証書遺言のうち,財産目録に関してはパソコンによる作成や登記事項証明書,預貯金通帳等の写しを添付する方法でもよく,自書しなくてもよいこととなりました。

この場合,財産目録のすべてのページに署名・押印は必要となりますが,もっともページ数が必要となるのは財産目録のページですので,だいぶ作成するのが楽にはなるかと思います。

ただ,自筆証書遺言の場合は,相続に精通した弁護士に相談せずにご自身で作成してしまったり,紛争案件を行うことができない弁護士以外の専門家に相談して作成した場合,作成内容に不備等があるため,せっかく作っても意味が無くなってしまったり,かえって争いの火種になってしまうこともあります。

遺言書を作成される方は,ご家族の平穏な暮らしを願って作成されると思いますので,作成される際は,相続案件に強い弁護士に相談されることをお勧めします。

名古屋で遺言書の作成についてお困りの方は,弁護士法人心でご相談を承っておりますので,お気軽にご連絡ください。

ホームページはこちらです。

インターンシップイベントの開催

名古屋の弁護士の小島です。

弁護士法人心では,学生さんに向けてインターンシップを行っています。

私も,インターンシップイベントについて,リクナビやマイナビに参加し,説明をさせていただいております。

今後の予定としましては,11月は,27日に名古屋,30日に東京。

12月は5日に名古屋,11日と15日に東京で弁護士法人心のセミナールームで開催を予定しています。

実際に,事務所に来ていただくこともできますので,雰囲気等も感じていただけるかと思います。

当日は,弁護士法人心の代表弁護士から,皆さんに弁護士の仕事の内容や弁護士法人心でのパラリーガルの仕事内容,これからの就職活動や社会人になる上で大切な考え方等をお話させていただきます。

毎年,たくさんの方にご応募いただいておりまして,今年も数日程は既に約80名分の席がすべて埋まっていると聞いています。

直前になりましたら,キャンセルもでることがありますので,参加をご希望される方は諦めずにチェックいただければ幸いです。

寒かったり暑かったり,寒暖の調整が難しい日が続いていますが,お体など崩されないようにご注意ください。

一人でも多くの方のご参加をお待ちしていますので,よろしくお願いします。

相続法の改正情報

民法が大幅に改正されますが,相続法も改正の対象となっています。

主な改正点は,

1 配偶者の居住権の保護

2 遺産分割に関する仮払制度の明確化等の見直し

3 遺言制度に関する自筆証書遺言の保管等の見直し

4 遺留分制度に関する見直し

5 相続の効力に関する見直し

6 相続人以外の貢献を考慮するための制度

です。

今日は,「1 配偶者の居住権の保護」について説明します。

【夫が所有している自宅に夫と住んでいたが,先日,夫が亡くなってしまった。

相続人は,私と息子の二人ですが,私はいつまで自宅に住むことができるのでしょうか。】

このような場合,民法の大原則から考えますと,遺された妻と息子が自宅についてそれぞれ2分の1の潜在的な持分を有していますので,妻だけが自宅に住み続けているのであれば,妻だけが家賃相当額の利益を得ているようにも思えます。

ただ,通常,亡くなった夫は,妻が自分の死後も自宅に住み続けることは想定していたと思われます。

そのため,判例では,被相続人(夫)と同居していた相続人(妻)の間に,遺産分割が終わるまでの間は,無償で自宅を使用し続けても構わないという使用貸借契約が成立していた,と考え,配偶者に短期の居住権を認めていました。

今回の相続法の改正では,このような判例の趣旨を受けて,

① 配偶者が被相続人所有の建物に,仮に所有者が変わっても終身または一定期間という比較的長い間,無償で住み続けられる権利(配偶者居住権),

② 配偶者が被相続人所有の建物に,死亡から遺産分割によって建物の帰属が確定するまでの比較的短い間,無償で住み続けられる権利(配偶者短期居住権),

を認めることにしました。

配偶者の保護を考えた改正ですが,配偶者以外の相続人にとっては,一定の不利益を受けることにもなりますので,ご生前の対策をきちんとされていないと思わぬ家族間の争いに発展するかもしれません。

名古屋市やその近郊にお住まいの方で,相続についてご心配な方は,私が所属しております弁護士法人心にお気軽にご相談ください。

自筆証書遺言の作成ルールが緩和されます

平成31年1月13日から施行される改正民法で自筆証書遺言の作成ルールが緩和されるようです。

これまでは,自筆で作成する遺言書は,本文・氏名・財産の一覧等をすべて自分の手で自筆して書かなければなりませんでした。

これは自筆証書遺言の一つのハードルになっていたのですが,改正民法では一部緩和され,財産目録をパソコンで作成したり,銀行等の預貯金通帳のコピーを添付することが認められるようです。

この方法が認められると,遺言書本文には,「別紙財産目録のとおり・・・」などと手書きで記載し,財産目録をパソコンで作る,ということが可能になりますので,時間の短縮になります。

ただ,遺言書を手書きさせる必要が本当にあるのか,とは疑問に思います。

手書きしているからといって,その遺言書が本人が書いたものとは断定できませんし,有効・無効はよく争われます。

確かに,全文パソコンでもOKということになれば,遺言者がのぞんでいない内容の遺言書にサインだけさせるような詐欺も増えそうな気がしますが,これは別に手書きでも起こりえますし・・・

本人が書いたものかどうか,という観点であれば作成しているところを動画で撮影すればいい話ですし,現に,当法人で自筆証書遺言を作成する場合は,当然ですが動画の撮影も行い,後から無用な争いが生じないような体制を整えています。

名古屋市やその近郊で遺言書作成でお悩みの方は,弁護士法人心の遺言サポートサイト(http://www.souzoku-meieki.com/yuigon/)をご覧ください。

裁判と電子化

今年の2月頃に,裁判所も訴状や準備書面をインターネットで提出できるように最高裁が検討を開始したとのニュースがありました。

弁護士業界以外の方はびっくりするかもしれませんが,いまだに弁護士と裁判所の間では,書面のやり取りをFAXや郵送で行っています。

お客様とやり取りするときにFAXを使用することなんてまずありませんので,FAXをいまだに使っているところなんて裁判所くらいではないでしょうか・・・

メールでの提出方法だと送信間違いが,という意見もあるようですが,FAXでも番号を間違えて送ってしまうことはあり得ますので,ヒューマンエラーは理由にならないように思います。

私の所属する弁護士法人心では,FAXを送る際は必ず二人体制で電話番号も声に出して二回確認するという方法を採って,万が一にでも間違いがないような対策を採っていますが,メールだとこれも難しくなりますね。

まぁ。メールではなく,裁判所がアプリを作って提出先を限定するような方法とか,色々方法はあるような気がします。

セキュリティ面を心配する声もあるようですが,郵送も郵便事故が起きることもありますし(私も経験があります),インターネットでの提出方法がそれほどセキュリティ面で劣るとも思えませんし,場合によってはむしろセキュリティ面は上がるかもしれません。

電話期日も,もう少し簡単に利用できるようになって欲しいですね。

今は電話回線を利用して,音声のみで裁判所と通話していますが,ネット回線を利用して,ポリコムやスカイプ,ライフサイズなど,顔が見れるような状態での会議の仕方など,まだまだ効率化できそうなところは山ほどありそうです。

名古屋市の吹上ホールで転職フェアに出展

私の所属しております弁護士法人心は,平成30年7月22日(日)に名古屋市の吹上ホールでリクナビNEXTが開催いたします「はじめての転職フェア」に出展させていただきます。

「弁護士事務所のスタッフ」と聞くと,法学部出身や法科大学院出身じゃないと難しいのかな?

企業の法務部経験がないと難しいのかな?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし,実際には,弁護士法人心ではスタッフの約8割が法学部以外の出身ですし,未経験者でも全く問題ありません。

募集している業務分野としましては,事務職,総務職,秘書,企画,WEB制作,SEなど様々です。

オフィスの場所も,名古屋駅から徒歩2分以内のところにありますので,とても通勤しやすい場所かと思います。

勤務されてから,行政書士や社会保険労務士の資格を取られた方もいますし,これからのキャリアアップを考えておられる方も歓迎します。

当日は,会場にブースを出し,私が皆様に1回20分のセミナー形式でお話させていただきますので,ぜひお越しください。

なお,弁護士法人心の中途スタッフ採用サイトのページはこちらhttp://www.kokoro-group.com/bengoshi/recruit/staff-c/)になっておりますので,弁護士法人心の仕事内容や理念等に関心がある方は,ぜひご覧ください。

インターンシップイベント&説明会のご案内 2

先月に引き続き,私が所属する弁護士法人心のインターンシップイベント及び弁護士法人心で行うインターンシップ説明会のご案内です。

すでに,マイナビやリクナビで名古屋・東京でイベントを行いましたが,7月1日・7日の東京ビッグサイトのリクナビイベントで,また弁護士法人心のブースを出させていただきます。

昨日,6月27日(水)では弁護士法人心の名古屋にあります本部事務所でインターンシップを行いました。

ご参加いただいた学生の方は,楽しんでいただけましたでしょうか。

弁護士事務所のお仕事のイメージがつかめましたでしょうか。

皆さんのこれからの就職活動や人生に少しでも役立てば幸いです。

次回の大規模インターンシップイベントでも,私がブースでインターンシップのご案内をさせていただきます。

エントリーシートの考え方・書き方,ブラック企業の手口や見分け方,コミュニケーションの目的やコミュニケーション能力の身に付け方など,学生の皆さんのこれからに役立つ情報をお話しできればと思っています。

ぜひ,ご参加ください。

なお,弁護士法人心のインターンシップにご参加を希望される方は,こちら(http://www.kokoro-group.com/bengoshi/intern/nittei/)で日程を確認のうえで,こちら(http://www.kokoro-group.com/bengoshi/intern/)の応募方法のページから応募ください。

たくさんの方のご参加をお待ちしています。

 

インターンシップのご案内

弁護士法人心では,毎年,リクナビやマイナビが開催するインターンシップライブにブースを出させていただいております。

インターンシップライブでは,当法人の考え方や弁護士のサポート業務に関する説明等をさせていただいています。

名古屋では,6月9日にポートメッセなごやでマイナビのイベントを行い,同日,吹上ホールではリクナビのイベントを行う予定です。

私は,ポートメッセなごやのマイナビイベントに参加し,お話させていただきますので,弁護士事務所に興味がある大学生の方は,ぜひご参加ください。

ブースでは,就職活動一般にも役立つようなコミュニケーションに関する話や,弁護士だからこそお伝えできるブラック企業の話や残業代の話などをさせていただこうと思います。

よく聞かれるのですが,弁護士事務所で働く上で,学部は全く関係ありません。

法学部や法科大学院卒業じゃないんですけど・・・と言われることもありますが,まっっったく問題ありません。

弁護士法人心では,スタッフの約8割が法学部以外の学部出身者ですし,法学部を優先的に採用するようなこともありません。

もちろん,法学部をでていれば,弁護士と打合せをする上で,法律用語が多少他の人よりもわかる,ということはあるかもしれませんが,業務のやり方や進め方は,先輩社員や弁護士がしっかりサポートさせてもらいますので,気にする必要はありません。

弁護士法人心のインターンシップにご興味を持っていただいた方は,

弁護士法人心のインターンシップサイト( http://www.kokoro-group.com/bengoshi/intern/ )

をぜひご覧ください。

生前整理と遺言

先日,参加させていただいている福島正伸先生の勉強会で一緒だった方が,生前整理に力を入れているというお話をうかがいました。

私も相続の案件に関わっているので興味があり,お話をうかがってみると,その方が行われていることは,生い立ちから遡り,どのような人生を歩んできたか,そのときどのような気持ちだったのか,などをすべて振り返り,想いを形にしていくというものでした。

私たち,弁護士が関わるのは,遺言書の作成に関しても,「このように作りたい」という意思を固めてからの方が多いので,その意思の形成に深く関わることはあまり多くはありません。

このような人にこのような財産を遺したい,という意思が固まっている方に,どのような方法があるのか,どのような方法がベストなのかを法的にアドバイスさせていただくことがほとんどです。

今は仲違いしてしまったけれども,小さい頃はそうではなかった,でもいつの頃からか仲違いしてしまった兄弟や親子の関係に深く関わり,人と人との信頼関係を築き直すような関わり方はあまり多くありませんので,とても新鮮でした。

兄弟や親子間で関係が悪いまま終わりたい・・・と思っておられる方はいらっしゃいませんので,とても素敵なお仕事のお話を聞かせていただきました。

名古屋で遺言についてお悩みの方はこちら

スタンダード法人税法

こんにちは。名古屋の弁護士の小島です。

今日は,書籍のご紹介をさせていただきたいと思います。

渡辺徹也先生のスタンダード法人税法が弘文堂から出版されましたので,早速買ってきました。

渡辺徹也先生は,九州大学法学研究院でご活躍された後,現在は早稲田大学法学学術院で教授をされている,税法の先生です。

実は,私の父が大学院生のときの後輩でもあり,私も法科大学院生の頃に,税法の学会で直接お会いしてご挨拶をさせていただきました。

同じ弘文堂から出版されている佐藤英明先生のスタンダード所得税法は,私も司法試験の勉強をしている際にはお世話になりました。

私が学生の頃は,法人税法に関するわかりやすい書籍が少なく,増井先生の法学教室の連載を読んだりしながら勉強してましたが,非常に勉強する際に難儀したことを覚えています。

弁護士として,会社の事業承継を考えるうえでは,相続税法だけではなく,法人税法も切り離すことのできない分野です。

弁護士になってからは,実務書はけっこう読みますが,本書のような学術書で体系だてて勉強することは学生の頃と比べると少なくなったようにも思いますが,本書でしっかり勉強させていただきたいと思います。

就職活動イベントの開始

こんにちは。名古屋の弁護士の小島です。

いよいよ,3月1日から就職活動イベントがはじまります。

私も,東京・名古屋で弁護士法人心のブースを出し,セミナーを行わせていただきます。

名古屋では,ポートメッセなごやでマイナビ・リクナビのイベントがありますので,たくさんの方にご参加いただけることをお待ちしております。

 

よく,質問されるのですが,弁護士の募集ではなく,事務職・スタッフの募集ですので,学生の皆さんは遠慮なく足を運んでいただければと思います。

また,法学部ではないのですが…ともよく言われますが,学部や文系・理系は関係ありませんので,ご心配なく。

スタッフの8割以上が法学部以外の出身のスタッフです。

法学部出身の方も,ご自身の勉強されてきた法律の知識が生きる現場に関わる仕事です。

 

名古屋では,いまのところ,3月2日・3日のマイナビの就職活動イベント,3月6日・7日のリクナビの就職活動イベントにブースを出して,一回20分でセミナーを行わせていただいておりますので,ぜひご参加いただければと思います。

場所は,いずれもあおなみ線の金城ふ頭駅すぐのポートメッセなごやが会場になっています。

インターンシップに参加された方も,参加されていない方もお待ちしておりますので,ぜひブースにお越しください。

民法(相続関係)等の改正

1月16日に内閣法制審議会で民法の相続部分に関する改正の部会が行われ,要綱案が発表されました。

配偶者の居住権を保護するための方策や遺産分割に関して配偶者をより保護するための方策,遺言書に関する制度の見直し,遺贈の担保責任,遺言執行者の権限の明確化,遺留分制度の見直し等が議論されたようです。

配偶者の居住権について,これまで判例では,被相続人が亡くなった後も当然配偶者を家に住まわせるつもりだっただろうとして,使用借権を認めていましたが,立法上の手当がなされるようです。

遺産分割に関しては,配偶者への特別受益について,一定の場合には持戻し免除の意思表示が推定されるようです。

要綱案では,民法903条を「婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が,他の一方に対し,その居住のように供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは,民法903条3項の持戻しの免除の意思表示があったものと推定する」との文言が追加されるようです。

更に,仮払制度も創設されるようですね。

一昨年の最高裁判所の大法廷判決で,被相続人の預金を相続人が法定相続分相当の払戻しを行うこともできなくなっていましたが,これでは債務の弁済や相続人の生活費もまかなうことができないという問題もありました。

補足意見等では,保全等の手続きで仮払いする方法の提示もありましたが,実務的にはどのような運用になるのか不透明なままでした。

今回の改正では,「家庭裁判所は遺産分割の審判又は調停の申立てがあった場合において,相続財産に属する債務の弁済,相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは,その申立てにより,遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部を,その者に仮に取得させることができる」との条項が加えられるようです。

なお,但書では,「他の共同相続人の利益を害するときは,この限りではない」との文言が入るようです。

相続人に対する一時的な救済措置にはなりますが,調停や審判の申立てが前提になりますので,迅速性が求められる場合には対応できないのでは?との疑問もありましたが,その疑問に答える形で,更に家庭裁判所の判断を経ないで預貯金の払戻しを認める制度ができるようです。

要綱案によれば,「各共同相続人は,遺産に属する預貯金債権のうち,その相続開始の時の債権額の3分の1に当該共同相続人の法定相続分を乗じた額については,単独でその権利を行使することができる」との規定が設けられるようです。

相続財産の額にもよりますが,取り急ぎの対応としては,この単独権利行使で生活費等を確保し,調停申立て後,必要があれば請求する,という形になりそうです。

要綱案の他の規定につきましては,後日ご紹介します。


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