『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心 名古屋法律事務所

「損害賠償金(示談金)」に関するお役立ち情報

休業損害の計算方法(サラリーマン・自営業・主婦)

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2021年6月14日

1 休業損害とは

⑴ 休業損害

休業損害とは、傷害の治癒(あるいは後遺障害の症状固定)までに発生する就労不能ないし通常の就労ができないことにより生ずる収入の減少額を損害として把握するものです。

⑵ 損害額算定方式

基本的には、「収入日額×認定休業日数」となります。

自営業の方については、実際の収入減をもって損害額とすることもあります。

2 サラリーマンの休業損害の計算方法

⑴ 基礎日額

基本的には、事故前3か月間の給料(手取り金額ではなく総支給額)の合計額÷90日で計算されますが、稼働日数で除して計算される場合もあります。

事故前3カ月の給料は、通常、休業損害証明書上の該当欄を勤務先に書いてもらった上で、事故前年の源泉徴収票を添付することをもって証明します。

⑵ 休業日数

サラリーマンの方は、会社に休業損害証明書を記入してもらうことで証明します。

欠勤だけでなく、有給休暇を使用した分についても賠償してもらえます。

有給休暇の場合には、会社から有給分の給料が支払われますので、減収はないから休業損害ではないように思われるかもしれませんが、事故によって本来自由に行使できたはずの有給休暇請求権を不本意に行使したとして、相手方に休業損害として賠償してもらえるのです。

⑶ 入社直後の場合

入社直後だと、当該会社における事故前3カ月間の給料は支給されていませんし、昨年の源泉徴収票もありません。

そのため、雇用契約書や賃金台帳等を代わりの資料として用いることがあります。

⑷ 早退・遅刻・時間休の場合

これらも休業損害の対象となります。

遅刻・早退は、0.5日分として算定することが多いです。

時間休は、それらをすべて合算し、当該会社における1日当たりの勤務時間で割って算出することが多いです。

3 自営業の休業損害の計算方法

⑴ 基礎日額

基本的に、事故前年の確定申告書の事業所得をベースに算出します。

固定費や青色申告特別控除額を加えることもあります。

確定申告をしていなかったり、していても実態より低い額になっていたりした場合は、実態に即してとなりますが、立証は容易ではありません。

個人での対応は困難なことが少なくありませんので、弁護士等の専門家に相談されることをお勧めします。

⑵ 休業日数

サラリーマンの方と比べ、休んだことを証明してくれる第三者がいないのが通常です。

よく用いられる代わりの方法としては、病院に通院した日をもって、休業と扱うことが行われています。

通院日以外が休業日数として用いられることもなくはないのですが、一個人での立証は容易でなく、弁護士等の専門家に相談されることをお勧めします。

4 主婦の休損の計算方法

⑴ 基礎日額

ア 専業主婦の場合には、どこからも給料をもらっていないのですが、それでは不公平ですので、主婦の休業損害という概念があります。

イ 主婦の休業損害は、賃金センサス(女性・全年齢・学歴計)の数字を使用します。

女性・全年齢・学歴計の賃金センサスの金額は年ごとに変動するので一概には言えませんが、日額ベースだと9000円を超えることが多いです。

もっとも、示談交渉においては、相手方が賃金センサスの使用に難色を示すことが少なくないほか、日数経過によって金額を逓減する計算式を用いるため、複雑になりすぎる嫌いがあります。

そのため、自賠責基準である日額6100円に通院実日数を乗じることで算出するやり方も広く行われています(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)。

ウ 兼業主婦の方でも、労働者ではなく主婦として算定したほうが金額が高くなる場合は、主婦として算定するべきでしょう。

特にパートタイマーの方は、労働者として算定されないよう注意を要します。

⑵ 休業日数

ア 家事を休んだか、家事に具体的支障が生じたかは、第三者がうかがい知ることは難しいので、いかにして休業日数を認定するかが問題となります。

イ 実際に医療機関に通院した日数をもって、休業日数とするのが、シンプルな捉え方です。

通院すると、往復も含めて相当な時間が取られますし、通院を要するだけの症状が発現しているとも言えますので、一応の合理性は認められます。

ウ 実通院日だけでなく、それ以外も含めた総通院日数を基礎日数とするやり方もあります。

家事への支障は通院日以外にも生じていることから、こちらについても合理性はあります。

ただ、家事への支障は日によって増減することに加え、時間経過によって症状は改善していくのが通例であることから、逓減方式をとることになります。

具体的には、事故から1週間は100%、そこから3~4週間は80%、さらにそこから2カ月は50%を乗じるというようなものです。

⑶ 兼業主婦の方における仕事への支障との関連性

ア 兼業主婦の方の場合、家事に支障があったか否かの判断要素として、仕事における欠勤・早退・遅刻がどの程度あったかをみられる場合が少なくありません。

具体的な理由としては、仕事に支障あり→家事にも支障あり、仕事に支障なし→家事にも支障なしという推論が成り立つ場合が少なくないことにあります。

イ 後日に、主婦として休業損害を請求する場合は、身体に無理をして仕事に出ず、休むべきときはやすんでおくべきでしょう。

そうでないと、家事への支障がなかったという誤解をされかねません。

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交通事故で休まざるをえなくなったら

交通事故にあったことによりしばらく安静にせざるをえなくなると,その時に生じた休業損害が補償される場合があります。

休業損害で迷う方が多いのは,「有給休暇を使って休んだ場合,休業損害は賠償されるのかどうか」ということかと思います。

有給休暇を使っている場合給与は支払われますので,一見特にマイナスがなく,賠償されないように思えるかもしれません。

ただ,交通事故さえ起こっていなければその休みを使って他のことをしたり,用事がある時につかったりできたはずですので,それを交通事故によって使わざるをえなかったということで賠償してもらうことができます。

このようにサラリーマンの方の休業損害というのは比較的わかりやすいかもしれませんが,自営業の方や主婦の方となるとわかりにくい部分も多いですし,サラリーマンの方もその他の交通事故の賠償についてはわかりにくいことが多いかと思います。

交通事故の賠償についてわからないこと,納得いかないことが出てきたら,弁護士法人心 名古屋法律事務所までご相談ください。

当事務所は名古屋駅からとても近い位置にありますので,移動手段があまりないという方の場合でもご相談いただきやすくなっております。

また,名古屋にお住まいでない方の場合でも,交通事故や後遺症のご相談でしたらお電話でご相談いただけます。

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