『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心 名古屋法律事務所

「保険」に関するお役立ち情報

被害者側にも過失がある場合,労災保険を利用した方がいい理由

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2020年11月11日

1 交通事故でも労災保険を利用できる

勤務中や通勤中に交通事故に遭った場合,事故の相手方が加入している任意保険や自賠責保険に加えて労災保険も使用できます。

ただ,交通事故で労災保険を使用する場合,本来は事故の相手方が負担すべき治療費などを労災保険が支払うことになるため,労災保険から事故の相手方へ労災保険が負担した治療費などを請求できるよう,「第三者行為災害届」という書類を提出する必要があります。

2 労災保険の費目拘束という考え

交通事故被害者の方にも過失がある場合,労災保険を利用するメリットが大きいのは,費目拘束という考えがあるためです。

通常は,発生した総損害額から被害者の過失割合分を差し引いた後の損害額からそれまで任意保険会社から支払いを受けた治療費などの既払い金を差引きます。

しかし,労災保険からの支給金を控除する場合は,費目拘束があるため,保険給付の対象となる損害と民事上の損害賠償の対象となる損害とが同性質であり,保険給付と損害賠償とが相互補完性を有する関係に損害項目からしか支給金は控除されません。

たとえば,治療関係費として150万円,傷害慰謝料として200万円,被害者の過失が4割と認定され,労災の療養補償給付150万円を受領していた場合には,被害者の過失割合分後の除いた相手方が負担する治療関係費は90万円(150万円×0.6)となります。

そのため,60万円(150万円-90万円)は,仮に労災保険からではなく相手方の任意保険会社から治療費の支払いを受けていた場合は,慰謝料などから差し引かれることとなり被害者が受け取れる慰謝料は60万円(200万円×0.6-60万円)となりますが,労災保険から支給を受けている場合,慰謝料から治療費は控除されないため,被害者が受け取れる慰謝料は120万円(200万円×0.6)となります。

診療費等給付は治療費等に費目拘束され,休業給付は休業損害に費目拘束されることになります。

3 過失がある場合は,労災保険の使用を検討しましょう

交通事故被害者側にも一定の過失がある場合は,上記のとおり,労災保険を使用した方が被害者側にメリットがあることが多いです。

また,労災保険からは,被害者の方が欠勤した場合等は,損害額から控除されない特別支給金も支給される点でもメリットがあります。

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