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離婚と親権

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年2月28日

1 親権について

⑴ 親権とは

未成年者の子どもを監護養育するとともに、子どもの財産を管理するために、父母に認められた権利と義務のことです。

監護養育とは、簡単に言えば、子どもとともに生活し、日常の世話や教育を行うことです。

親権者は、子どもを監護養育するために、法律上、子どもに対する居所指定権、懲戒権、職業許可権を与えられています。

また、親権者は、財産を適切に管理処分する十分な能力がない未成年者に代わって、子どもの財産を管理し、子どもを代理して法律行為を行います。

⑵ 子どもの親権者は誰なのか

未成年の子どもの親権者は、父と母です。

婚姻中の父母は、同時に親権者となり、共同で親権を行使します。

父母が婚姻していない場合は、母が単独で親権者となります。

ただし、父が子どもを認知した場合は、父と母が協議をして、父を親権者と定めることができます。

2 離婚した場合の親権について

⑴ 離婚すると親権はどうなるのか

婚姻している父母が離婚する場合、父母のどちらか一方を親権者と定めて、親権者は単独で親権を行使することになります

離婚して別々に生活する父母が共同で親権を行使することは難しく、離婚後も共同親権を認めると、子どもの福祉を害すると考えられたためです。

子どもが生まれる前に夫婦が離婚する場合は、母が離婚後に生まれた子どもの親権者となります。

ただし、子どもが生まれた後に、父と母が協議をして、父を親権者と定めることができます。

⑵ 親権者の決め方

父母が協議上の離婚をするときは、父と母が協議をして、どちらが親権者になるかを定めます

親権は、子どもの監護養育及び子どもの財産管理をする権利と義務を含みますが、親権のうち、子どもの身上監護をする権利を監護権といいます。

父母の協議によって、親権者と監護者を別々に定めることもできます。

例えば、父が親権者となり、母が監護者となって母が子どもと同居して子どもを育てるケースです。

また、父母が裁判上の離婚をするときは、裁判所が親権者や監護者を定めます

⑶ 夫婦の両方が親権を主張する場合

夫婦間で離婚することは合意していても、どちらが親権者になるかについて争いになり弁護士にご相談いただくケースは少なくありません。

親権者について父母の協議が調わないときは、離婚調停において話し合われ、調停が不成立となると、親権者指定に関する審判または離婚訴訟において裁判所が親権者を定めることになります(参照:裁判所・夫婦関係調整調停(離婚))。

⑷ 親権者を定めるうえでの裁判所の考慮事項

審判ないし訴訟において、裁判所は、父母のいずれが親権者として相応しいかについて審理・判断して親権者を定めます。

親権は、親の権利であるとともに、未成年者の子どもが心身ともに健全な社会人となれるように育成するという義務を伴っています。

そのため、親権者の適格性判断は、その子どもにとってどのような養育が最善かという子の福祉の観点から行われ、一般的には、次のような事情が考慮されます。

ア これまでの子どもの養育状況

父母のいずれが、どのように養育してきたか等

イ 今後の養育方針・養育環境

今後、どこで、どのように養育するか。祖父母等の支援態勢の有無・内容等

ウ 一方当事者が親権者となるのが適切な理由

子どもに対する愛情、住居・収入などの経済力、子どもの学校等の生活環境、子どもの意向等

エ 他方当事者が親権者となるのが不適切な理由

子どもに暴力をふるったことがある等

3 親権と養育費の関係

養育費とは、未成年の子どもが生活するために必要な費用のことです。

親は、子どもを扶養する義務を負っているので、親権者であるか否かにかかわらず、養育費を負担する義務があります。

そのため、子どもは、親に対して、扶養を求める一環として養育費を請求することができます。

また、離婚後、親権者となった親は、親権者とならなかった親に対し、養育費の分担を請求することができます

4 離婚に強い弁護士にご相談ください

親権争いは、夫婦間の感情的な対立が激しい場合、合意に至りにくい傾向があります。

双方が、子どもの利益より、他方当事者に対する意地等、自身の感情を優先させる主張になりがちだからです。

こうした感情面を排して、裁判所に親権者としてふさわしいと認めてもらうためには、自分が親権者となることが子どもの利益となることを主張・立証する必要があります。

親権が争われる場合、離婚に強い弁護士にご相談ください。

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