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公訴時効

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年1月23日

1 公訴時効とは

公訴時効とは、犯罪が終わってから一定期間が経過することにより、起訴することができなくなる制度のことです。

公訴時効が成立すると、国家の犯罪者を処罰する権限が消滅してしまいます。

2 公訴時効はなぜあるのか

公訴時効が設けられている理由はいくつかあります。

まず、時の経過によって証拠が少なくなり、真実を発見することが難しくなることが挙げられます。

人の記憶は薄れていきますし、証拠物も散逸・風化していくためです。

次に、時の経過によって被害者感情が弱まることも挙げられます。

事件によっては、時の経過によって犯人を処罰してほしいという被害者感情が薄れる場合もあります。

そのような場合にまで犯人を処罰する必要性は低いと考えられています。

3 公訴時効の改正

公訴時効については2010年に法改正があり、一定の犯罪について、公訴時効が廃止されたり、時効完成までの期間が延びたりしました。

例えば、殺人罪は、法改正前は、公訴時効期間が25年とされていたのですが、改正後は、公訴時効が廃止されたため、殺人罪について公訴時効によって処罰を免れるということがなくなりました。

参考リンク:警察庁・公訴時効制度の改正について

4 公訴時効の一覧

公訴時効の有無や長さは、刑事訴訟法250条に記載されており、犯罪によって違います。

⑴ 人を死亡させて、死刑に当たる罪

例:殺人罪(刑法199条)、強盗殺人罪(刑法240条後段)など

→これらの罪については、公訴時効がありません

⑵ 人を死亡させて、無期懲役・禁固刑に当たる罪

例:強姦致傷罪(刑法240条前段)、強制わいせつ致傷罪(刑法181条)など

→これらの公訴時効は30年になります。

⑶ 人を死亡させていない、死刑に当たる罪

例:現住建造物放火罪(刑法108条)など

→公訴時効は25年になります。

⑷ 人を死亡させて、長期20年の懲役・禁固刑に当たる罪

例:傷害致死罪(刑法204条)、

危険運転致死罪(自動車運転死傷行為処罰法2条・3条)など

→公訴時効は20年になります。

⑸ 人を死亡させていない、無期懲役、禁固刑に当たる罪

例:強盗強姦罪(刑法241条)など

→公訴時効は15年になります。

⑹ 人を死亡させて、長期20年に満たない懲役、禁固、その他の刑に当たる罪

例:業務上過失致傷罪(刑法211条)など

→公訴時効は10年になります。

⑺ 人を死亡させておらず、長期15年以上の懲役、禁固刑に当たる罪

例:強盗罪(刑法236条)など

→公訴時効は10年になります。

⑻ 人を死亡させておらず、長期15年未満の懲役、禁固刑に当たる罪

例:窃盗罪(刑法235条)、詐欺罪(刑法246条)など

→公訴時効は7年になります。

⑼ 人を死亡させておらず、長期10年未満の懲役、禁固刑に当たる罪

例:未成年者略取罪(刑法224条)など

→公訴時効は5年になります。

⑽ 人を死亡させておらず、長期5年未満の懲役、禁固、罰金刑に当たる罪

例:暴行罪(刑法208条)など

→公訴時効は3年になります。

⑾ 拘留、科料に当たる罪

例:軽犯罪法違反など

→公訴時効は1年になります。

5 公訴時効の停止について

犯人が海外にいるなどの場合には、その期間は時効の進行が停止しますので、上記の期間が経過したとしても、公訴時効が完成しない場合があります。

6 刑事弁護の相談は当法人へ

公訴時効が完成していない限り、過去の事件であっても、逮捕され、刑事処罰を受ける可能性はあります

発覚してないと思っている事件でも、刑事事件に精通する弁護士に相談した方がよいケースもあります。

また、通常、捜査機関が時効の完成を間違えることは多くありませんが、ケースによっては時効の完成が問題になる場合もあります。

例えば、強盗罪と評価すべきなのか、それとも窃盗罪と評価すべきなのか微妙なケースで、事件から相当期間が経過してから経って逮捕されてしまった場合です。

仮に事件から8年後に逮捕された場合、強盗罪と判断されれば時効は10年で時効完成前となりますが、窃盗罪と判断されれば時効の7年は経過しており、処罰を受けずに済む可能性があります。

このように、過去の事件で逮捕されてしまった場合、時効が完成している可能性があります。

その場合にも、刑事事件に精通した弁護士に相談し、時効の主張は可能なのか確認する必要があるでしょう。

当法人には、刑事事件を得意とする弁護士が在籍しております。

弁護士に相談することで、早期の身柄解放、刑の減軽、えん罪防止といったことが望めます。

弁護士をお探しの方は、ぜひ一度、当法人までご連絡ください。

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