裁判手続のIT化と猛暑

最近、非常に暑い日が続いておりますが、皆様、熱中症にはなっておられませんでしょうか。

十分に水分を補給して、体調を崩されないようお気を付けください。

私はと言いますと、例年より日中に外出する機会が減っておりますので、今のところは猛暑によってそこまで大きなダメージは受けておりません。

外出の機会が減った大きな原因は、コロナ禍以降、訴訟の手続がwebや電話で行われることが増えたためです。

以前は、よほど遠隔地でない限りは、裁判所に出廷して手続を行うことが多かったため、猛暑日に出廷があると移動だけで体力を削られて非常につらかったのですが、最近では、事務所に居ながら訴訟手続を行うことが出来る機会が増えました。

また、現在は、裁判関係の書類は基本的に郵送かFAXで提出することがほとんどなのですが、今後、民事裁判においては、「民事裁判書類電子提出システム(mints)」を利用した、電子データでの書面提出も進んでいく予定です。

弁護士の業界がどんどんIT化して便利になっていくのは非常に喜ばしいことではあるのですが、プライベートでは滅多に行くことのない遠方の裁判所に行く機会が減ってしまうことについては少し寂しさも感じます。

物価高

最近、豊田市では雨の日が続いておりますが、皆様のお住まいの地域のお天気はいかがでしょうか?

天気が悪くなると体調が崩れてしまうという方も少なくないかと存じますので、お身体にお気を付けてお過ごしください。

さて、今回は、私が物価高を感じたお話をしたいと思います。

以前よりニュースにて物価が高くなっているという話を目にしておりましたが、普段の私の買い物と言えばコンビニで弁当やカップ麺を買う程度ですので、そこまで物価高の影響は感じておりませんでした。

しかし、先日、スーパーへマヨネーズを買いに出かけたところ、以前は230円程度だったはずが、300円程度まで値上がりしており、身近なところに大きな物価高の影響が生じていることを実感しました。

ここまで大きく物価が上がっていると、食べ盛りのお子様がいらっしゃるご家庭などはさぞ家計へのダメージが大きいのではないかと思います。

この度の物価高は、世界的なインフレやウクライナ戦争、大幅な円安など、様々な要因が複合的に作用しているものであると聞いておりますので、私が一個人としてできる対策などはないかもしれませんが、物価高に苦しんでいる方が少しでも楽になる方法はないかと考えを巡らす日々です。

5G

ゴールデンウィークですね。

弁護士業界もこの時期はお休みされている先生が多いのではないでしょうか。

私はと言えば、特にゴールデンウィークの予定もないので、いつもどおり出社して裁判所へ提出する書面を作成しております。

お出かけ中の家族連れを目にすると、なんとなく寂しい気持ちが込み上げてくる感じがしなくもないですが、まぁ気のせいでしょう。

さて、先日、携帯電話の更新をサボっていて契約が解除になってしまったというお話をしましたが、ついに携帯電話を買い替えました。

ガラケーからiPhoneSE(第3世代)に一気にステップアップです。

最新の5G対応とのことですが、3Gと比べて何が進化しているのか、今のところはまだ実感できていません。

いずれにしても今回の携帯電話も大事に使って長持ちさせたいと思います。

ところで、携帯電話の更新をするにあたって、久しぶりに契約の説明をする立場ではなく、説明を受ける立場に立ったのですが、店員さんがいかにして複雑な契約を分かりやすく伝えようとしてくれているのかについて、いろいろな工夫を感じることができました。

この経験を私の本業にフィードバックして、依頼者の方に分かりやすい説明を心掛けていきたいと思います。

皆様、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

3G

新年度が始まりました。

つい最近までは、豊田市駅の近くの桜が新たな門出を祝うかのように満開でしたが、あっという間に散ってしまいました。

そして、新年度になって、ついに私の携帯電話も寿命を迎えてしまいました。

私の携帯電話は、高校生のころから使っていた3Gのガラケーだったのですが、令和4年3月31日をもってauの3Gサービスが終了となった影響で使えなくなってしまいました(話によると、今は5Gだそうですね。4Gの時代はいつの間に過ぎ去ったのでしょうか・・・)。

令和4年3月31日までに機種変更等の手続をするよう案内が来ていたのですが、仕事に追われる毎日でしたので、後回しにしていた結果、とうとう自動解約となりました。

そのため、私は、現在、このハイテク社会の中では珍しいのでないかと思われるプライベートの携帯電話を所有していない人物となっております。

電話番号がなくなって2週間が経過しましたが、さすがにチラホラと日常生活に支障が出てきておりますので、何とか時間を作って携帯電話を買いに行きたいと考えています。

なお、社用携帯は繋がりますので、依頼者の皆様方におかれましては、ご心配なく、お気軽に社用携帯までご連絡ください。

確定申告期限

本日、3月15日は、令和3年分の所得税の確定申告の期限でした。

最終期限である本日もe―Taxの接続障害が生じるといったトラブルがありましたが、ひとまず、確定申告を終えられた納税者の皆様、そして、確定申告に関与された税理士の先生方、今年もお疲れ様でございました(私の所属する東海税理士会豊田支部の先生方も最近はずっとお忙しそうでした…本当にお疲れ様です。一段落しましたらゆっくり休んでください。)。

今回は、「この時期になると確定申告ってよく聞くけど、実際どんな制度なの?」という方に向けて、簡単に確定申告についてご説明させていただきたいと思います。

所得税の確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額を計算し、国に対して自分の納める税金の額を報告する手続のことを言います。

申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収されている税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算することになります(払い過ぎがあれば、払い過ぎている分の税金が返ってきますし、既に払っている分があるものの不足が生じているという場合は、足りない部分を支払う必要があります。)。

確定申告期限までに確定申告が間に合わなかった場合は、無申告加算税が課せられ、払うべき税金が増えてしまう可能性もございますので、確定申告が必要な方は、必ず期限内に申告をするように心がけていただけたらと存じます。

 

 

1日のタイムスケジュール

コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大が止まりませんね…

皆様、感染しないよう十分にご予防ください…

さて、この仕事をしていると、たまに依頼者様より、弁護士はどんな一日を過ごしているのかというご質問をいただくことがございます。

そこで、非常にザクっとした形ではございますが、私の一般的な平日のタイムスケジュールについて、公開したいと思います。

午前8時 起床
午前8時~午前9時 出社準備
午前9時 出社
午後11時 帰宅
午後11時~午前0時30分 夕食・入浴
午前0時30分~午前2時 次の日の準備が終わったら自由時間
午前2時 就寝

これをお話させていただくと、「朝食と昼食は摂らないの?」というご質問を頂戴することもあるのですが、私は基本的に夕食のみの1日1食生活をしております(食事よりも睡眠と仕事の時間を優先順位が高いです。もっと言えば、自炊する技術や気力もないため、基本的に夕食はコンビニで調達したものを食べています。)。

弁護士になってから大体はこのような毎日を送っております。

1日1食なのに体重が増えていくことが近年の悩みです…

皆様は、体調を崩されませんよう、しっかりと栄養と摂って、健康にお過ごしください。

 

YouTube

弁護士というと文系の職業というイメージが強いかと思いますが、仕事で物理や数学の知識が必要となることも多々あります。

私は最近までこれらの知識は本を読んで修得してきました。

しかし、最近はYouTubeの教育系コンテンツが非常に充実してきており、本を読んで勉強するよりYouTubeの動画を見た方が理解がしやすいということも少なくありません。

有益な動画を作成してくださっているクリエイターの方々に感謝をしつつ、日々勉強をさせていただいています。

<初>東北地方

明日から出張で、人生初の東北地方へ行って参ります。

15日(金)現在:今から帰宅して明日・明後日の準備

16日(土)午前:名古屋から秋田県へ移動/午後:秋田県で勉強会講師

17日(日)午前:岩手県で勉強会講師→青森県へ/午後:青森県で勉強会講師→東京へ

18日(月)午前:東京→四日市の裁判所で裁判期日

といったスケジュールなので、初の東北を満喫する余裕はないかもしれませんが…

頑張ります!

季節の変わり目

少しずつ涼しくなってきたような気配がある今日この頃、皆様、いかがでしょうか。

私は、季節の変わり目に弱いところがありますので、体調管理に気を付けなければと思っております。

皆様、体調を崩さないように気を付けてお過ごしください。

皆様、ご無事でいらっしゃいますでしょうか・・・

昨日も今日もとても激しい大雨が降り続いておりますが、皆様ご無事でいらっしゃいますでしょうか…

豊田市でも、昨晩は、土砂災害の発生を警戒するようにとの緊急速報が鳴り響いておりました。

幸いにして、私自身は今のところそこまで大きな影響は受けておりませんが、私の依頼者様は、南は鹿児島県から北は北海道まで、全国各地にいらっしゃいますので、依頼者様のお住いの地域で、川が氾濫しているとか、土砂崩れで家が潰されてしまっているといった類のニュースを見ると、依頼者様の安否がとても心配になります…

新型コロナウイルスの感染者が急増しているという大禍の中で、さらに今回の大雨といった自然災害まで発生してしまい、絶望的な気持ちに囚われてしまっている方もいらっしゃるかもしれませんが、今はとにかくご自身の身を守ることを最優先に考えていただき、決して投げやりな行動はとらないようにしていただけたらと存じます。

大雨特別警報が出ている地域も少なくないようですので、避難が必要な地域にお住いの方は、手遅れにならない内に、できるだけはやめに避難をしていただきますようお願い申し上げます。

早くこの雨が弱まること、そして何より、皆様のご無事を心よりお祈り申し上げます。

新年度

今年も4月に入り、新年度が始まりました。

昨年の4月1日に改正民法が施行されてからもう1年となります。

この1年、コロナウイルスの感染拡大の影響により、弁護士の業務へも大きな影響がありました。

1回目の緊急事態宣言の際には、裁判期日が全て取り消しになりましたし、弁護士会の会務や行事もリモートが中心となり、人と接する機会が激減しました。

他方で、裁判のリモート化(電話会議やWEB会議)も進みましたので、悪いことばかりというわけではなかったかなとも思います。

皆様のご状況はいかがでしょうか。

今現在もコロナウイルス感染拡大の影響が大きく、つらい思いをされている方も少なくないかと存じます。

困っておられる方のお力に少しでもなることが出来たらと存じますので、一人でお悩みにならずに、お気軽に弁護士までご相談ください。

さて、少ししんみりしてしまいましたが、新年度にも入りましたし、心機一転、頑張っていきたいと思います!

この春に進級・進学された皆様、新しく社会人となられた皆様につきましては、おめでとうございます!

まだまだ大変な時期が続くかとは思いますが、大変な中にも楽しみを見つけながら一日一日を過ごせるように祈っております。

税理士法人心豊田市駅税理士事務所開設

今年は,インフルエンザが大流行しているとのことですが,みなさま,体調はいかがでしょうか。

私自身はすこぶる元気ですが,同僚や同期は何人もインフルエンザにかかって体調を崩しております・・・

体調は悪いけれども忙しくてなかなか仕事を休んで療養することができないという方もいらっしゃるかとは思いますが,何をするにしても身体が資本ですので,決して無理をしすぎて体調を悪化させてしまいませんよう,お気を付けください。

さて,この時期といえば確定申告で税理士の先生方が非常に忙しくされている時期でもあるかと思われますが,この度,税理士法人心豊田市駅税理士事務所が開設されることとなりました。

事務所の所在地は,弁護士法人心豊田市駅法律事務所と同じく,愛知県豊田市西町5丁目5番地ヴィッツ豊田タウン4階となっております。

ですので,税務に関しても,お気軽にお問合せをいただけたらと思います。

(ちなみに,豊田だけではなく,岐阜,東京,柏にも税理士事務所が新たに開設されることとなりました。詳しくは心グループのホームページをご覧ください。)

今後は,弁護士法人心豊田市駅法律事務所だけでなく,税理士法人心豊田市駅税理士事務所につきましても,何卒よろしくお願い申し上げます。

明けましておめでとうございます。

みなさま,明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

みなさまは,年末年始はいかが過ごされましたでしょうか?

私はと言いますと,12月31日と1月1日は豊田の実家で過ごし,それ以外は事務所や自宅で,年明けに提出の〆切が設定されている裁判書面の起案をしておりました。

以前は,「年明けすぐに〆切があるなんていやだなぁ。」と思っておりましたが,今では,「〆切は年明けだから,年末年始の休みの間にゆっくり起案ができる!」と,前向きに考えられるようになりました。

意外かもしれませんが,裁判書面の提出期限は,守らなかったとしてもペナルティが課せられるというものではありません。

もっとも,提出期限に遅れてしまうと,裁判官や裁判所書記官さん達に多大な迷惑をかけることになってしまいますので,決して守らなくてもよいというものではありません。

ですので,先ほども,提出期限に間に合わせるため,裁判書面を作成しておりました(無事完成いたしました!)。

今後も裁判書面の提出期限をきっちりと守っていけるよう,スムーズに仕事を進めていきたいと思います。

ではでは,今年もお仕事頑張ります!

司法修習

つい先日から,第72期の司法修習生の司法修習が始まりました。

そこで,今回も民法改正の話はお休みにして,司法修習の話をしたいと思います。

司法試験は,合格したらすぐに裁判官,検察官,弁護士になれるというわけではなく,約1年間に及ぶ司法修習を経なくてはなりません。

しかも,司法修習の最後には,俗に「二回試験」と呼ばれる卒業試験のようなものがあり,たとえ司法試験に合格していても,この二回試験に合格しなくては法曹になることはできません。

このような恐ろしい二回試験が控えている司法修習ではありますが,日々の修習自体は,弁護士になってからは見ることのできない裁判所や検察庁の内部を見ることができたり,裁判官,検察官,弁護士の率直な意見が聞けたりして,非常に貴重な経験を積むことができます。

そして何より,素敵な仲間達に出会うことができます。

私が修習生だった頃は,周りの仲間達にとても恵まれていたため,公私ともに非常に楽しく1年間を過ごすことができました。

私の友達も今年の司法試験に合格をし,まさに今,司法修習へ行っています。

大変なこともたくさんあるかもしれませんが,楽しいこともたくさんあるはずなので,有意義な1年間を過ごして欲しいです。

健康診断

ここのところ民法改正に関する記事を挙げていましたが,友達から「民法改正の話は小難しくてよくわかんない。」との意見をいただきましたので,今回は別の話をしようかと思います。

ということで,今回は健康診断に関するお話をしたいと思います。

今年も健康診断の結果が返ってきました。

去年と比較して,視力(メガネあり)が0.2ずつ下がり,正常値の範囲内ではありましたが,血糖値,コレステロール値,血圧がいずれも上昇していました・・・

以下,原因を探ってみます。

視力が落ちたのは,まず間違いなく日々の弁護士業務で書類作成などのためにパソコンの画面を見ている時間が長いからだと思います。

血糖値,コレステロール値,血圧の上昇は食生活が原因でしょうか・・・?

夕食を摂るのはいつも家に帰ってからですので,だいたい午後10時とか午後11時を過ぎる時間帯になってしまいます。

さらに,夕食を摂ったあとは疲れてすぐに寝てしまうので,それもいけないのかもしれないです・・・

来年の健康診断では数値が改善するように生活を改めていけたらと思います。

手始めに,もっと手際よく仕事をこなして,今より早い時間に夕食が摂れるようにしたいです。

頑張ります。

民法改正~時効に関する経過措置について~

台風が過ぎ去り,豊田にも秋の気配がやってきました。

季節の変わり目ですので,皆様体調を崩さないようお気をつけてお過ごしください。

さて,今回は,改正民法の時効制度に関するお話の最後として,改正民法施行までの経過措置についてお話したいと思います(なお,改正民法は西暦2020年4月1日に施行されることになっています。)

まず,改正民法施行日前に債権が生じた場合(施行日以後に債権が生じた場合であって,その原因である法律行為が施行日前に行われた場合を含みます。以下においても同様です。)の時効期間は改正民法施行後も旧法が適用され,改正民法の施行日以降に生じた債権の時効期間は改正民法が適用されることになります(附則10条4項)。

また,不法行為による人身損害による損害賠償請求権の時効期間は,旧法では損害及び加害を知った時から3年,改正民法では損害及び加害者を知った時から5年となっているところ,改正民法の施行日前に不法行為が発生し,改正民法施行日時点で損害及び加害を知った時から3年が経過していなければ,時効期間は5年となります(附則35条2項)。

施行日前に生じた時効中断事由・時効停止事由の効力については,旧法によることとなります(附則10条2項)。

また,改正民法で新たに設けられた「権利に関する協議を行う旨の合意が書面によってなされた場合の時効完成猶予」(改正民法151条)については,書面による合意がなされた日が改正民法の施行日前である場合は適用されません(附則10条3項)

細かいことですがいずれも重要な部分ですので,十分に気を付けて業務を行っていきたいと思います。

 

民法改正~時効完成の障害事由について②~

今回は,時効完成の障害事由の内,新設された「協議を行う旨の合意による時効の完成猶予」(改正民法第151条)についてお話したいと思います。

「協議を行う旨の合意による時効の完成猶予」とは,当事者間で権利についての協議を行う旨の合意が書面でなされたときに,時効の完成を猶予するという制度です。

この制度は,当事者における協議を通じた自律的な紛争解決の支援を行うことを趣旨としています。

当事者間で権利についての協議を行う旨の合意が書面でなされたときは,

①その合意があった時から1年を経過した時点

②その合意において当事者が協議を行う期間(1年に満たないものに限る。)を定めたときは,その期間を経過した時点

③当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でなされたときは,その通知の時から6か月を経過した時点

以上の①~③の最も早い時点までの間,時効の完成が猶予されることになります。

また,これによって時効の完成が猶予されている間に,再度,当事者間で権利についての協議を行う旨の合意を書面で行った場合には,本来の時効期間の満了時から通算して5年を超えない範囲で,時効の完成猶予の効果が生じることになります。

弁護士としては,新設された規定も使いこなせなくてはなりませんので,改正民法の施行までに十分な予習をしたいと思います。

民法改正~時効完成の障害事由について①~

前回までは消滅時効の話をいたしましたので,今回は消滅時効に関連する「時効完成の障害事由」に関する改正についてお話をしようと思います。

現行民法では,時効完成の障害事由は,「時効の中断」と「時効の停止」の2種類となっています。

「時効の中断」とは,時効の進行中に時効の基礎となる事実状態の継続が破られたことを理由に,それまで進行してきた時効期間をリセットするというものです。

「時効の停止」とは,権利者による時効の中断を不可能または著しく困難にする事情が生じた場合に,その事情の消滅後一定期間が経過する時点まで,時効の完成を延期するというものです。

改正民法では,これらの「時効の中断」,「時効の停止」という用語が,それぞれ「時効の更新」,「時効の完成猶予」に改められ,更新事由,完成猶予事由についても整理がし直されることになりました(具体的にどのような整理がなされているかということに関しては,かなり細かな話になってしまいますので,ここでは割愛いたします)。

時効の完成猶予事由,更新事由を見過ごして消滅時効を完成させてしまったりすると,弁護過誤となってしまいますので,弁護士としては,時効の完成猶予事由,更新事由にも十分に注意をして業務を行っていく必要があるかと思います。

所持品検査

近頃,名古屋は猛暑が続いておりますが,皆様はいかがお過ごしでしょうか。

水分補給等,熱中症対策をしっかりして,体調を崩さず健康に夏を乗り切っていただけたらと思います。

さて,今回は民法改正に関するお話はいったんお休みにして,名古屋高等・地方裁判所合同庁舎における所持品検査のお話をしたいと思います。

これまで,名古屋高等裁判所・地方裁判所においては,特に所持品検査を行うことなく,庁舎内に入ることができていましたが,平成30年7月4日より,南玄関において,金属探知機等を用いた所持品検査が実施されることになりました。

そして,これに伴い,北玄関が出口専用となり,東玄関が閉鎖となりました。

今回の所持品検査開始の影響で,南玄関が混みあっている様子も散見しますので,裁判所にご用事のある方は,お時間に余裕を持って移動をしていただけたらと思います。

なお,弁護士は,南玄関で弁護士バッジや身分証明書の提示をすれば,所持品検査を省略することができるのですが,もしこれらの提示ができなければ,一般の方と同様に所持品検査を受けなくてはなりません。

所持品検査を受けていて裁判に遅刻してしまったなどという情けないことにならないよう,裁判所に行く際には,弁護士バッジや身分証明書を忘れずに身に着け,かつ,時間に余裕をもって行動することを心がけたいと思います。

 

民法改正~消滅時効について②~

今回は,前回に引き続き,民法改正に関し,人身損害による損害賠償請求権の消滅時効について,お話をしたいと思います。

前回お話をしたとおり,民法改正によって,債権は,「主観的起算点から5年間行使しないとき」または,「客観的起算点から10年間行使しないとき」に,時効によって消滅することが原則となりました(改正民法166条1項)。

また,不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効期間については,主観的起算点から3年間,客観的起算点から20年間とされています(改正民法724条)。

では,人身損害による損害賠償請求権についても,上記のような原則どおりの時効期間となるのでしょうか?

この点,現行民法においては,人身侵害による損害賠償請求権とその他の債権で時効期間に差異は設けられておりません。

しかし,改正民法では,人の生命・身体の重要性に配慮し,人身侵害による損害賠償請求権の消滅時効の期間は,損害賠償請求権の発生原因が債務不履行によるものであっても不法行為によるものであっても,主観的起算点から5年,客観的起算点から20年とされることになりました(改正民法167条,同724条の2)。

このように,改正民法においては,人身侵害による損害賠償請求権とその他の債権で時効期間に差異が生じるようになりましたので,日頃の弁護士業務においてもしっかりと注意を払っていきたいと思います。