インフルエンザ

時が経つのは早いもので,平成30年も,もう12分の1が終わろうとしています。

皆様,いかがお過ごしでしょうか?

現在,名古屋では,雪が降るような寒い日が続き,インフルエンザが流行しています。

ところで,インフルエンザをわざと他人に感染させたという場合,何らかの罪に問われたりするのでしょうか?

ちょっと検討してみたいと思います(以下は,あくまで私の個人的な考えであり,他の意見を排斥するものではありません)。

刑法204条は,以下のように規定しています。

「人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

ここに言う「傷害」とは,人の生理的機能を侵害することを言います。

簡単に言うと,他人の健康状態を悪くさせてはいけない,ということです。

そして,性病に関してですが,病気をうつしたことが「傷害」に該当すると判断した最高裁判所の裁判例もあります。

抜粋すると以下のとおりです。

「傷害罪は他人の身体の生理的機能を毀損するものである以上,その手段が何であるかを問はないのであり,本件のごとく暴行によらずに病毒を他人に感染
させる場合にも成立するのである。」(最高裁昭和27年6月6日判決・刑集6・6・795)

そうすると,インフルエンザをうつすことも,他人の健康状態を悪化させることに該当するため,「傷害」であると言えそうです。

もっとも,傷害罪で罰されるには,「故意」(刑法38条1項)に,すなわち「わざと」インフルエンザをうつしたと言えなくてはなりませんので,他人にインフルエンザをうつした人が全員傷害罪で罰されうるのかというと,そうではありません(ただし,刑法には過失傷害罪(刑法209条1項)という犯罪もあるので,少し注意が必要です。)

また,傷害罪で罰するには,ある行為と生じた結果の間に因果関係(原因と結果の関係)が存在することも必要ですので,例えば,AさんをわざとBさんにインフルエンザをうつした罪で罰しようという場合,Bさんの罹っているインフルエンザがAさんからうつったものであること証明しなくてはなりません。

こうやって考えていくと,他人にインフルエンザをうつしたことで傷害罪に問われるということは,多くはなさそうです。

ただ,傷害罪で罰されないにしても,インフルエンザを他人にうつしてしまうと,うつした相手に多大な迷惑がかかってしまいますし,だからといって仕事を休むと依頼者の皆様に多大な迷惑がかかってしまいますので,そもそもインフルエンザにかからないよう,予防をしっかりしていきたいと思います。

今日は,こんなことを考えながら,早くもバレンタイン商戦が始まり前に進むこともままならない人ごみの中を歩いてきました。