中高生向け模擬裁判(サマースクール)について

こんにちは。
弁護士の江口潤です。

今回は,愛知県弁護士会が主催しているサマースクールについて書きたいと思います。

愛知県弁護士会では,法教育の一環として,毎年,小学生や中高生を対象にサマースクールを実施しています。

私が参加する予定の中高生向けの模擬裁判は,平成30年8月3日(金)に開かれる予定で,6月28日時点では,ありがたいことにその応募枠も残りわずかとなっているようです。

今年扱うのは,とある映画を題材にした刑事事件です(詳しい内容はネタバレになってしまうので言えませんが…)。

現実の刑事事件では,犯罪の被害に遭った被害者が存在し,判決の結果は被告人の人生を大きく左右するものであることから,法廷には深刻な雰囲気しかありませんが,模擬裁判では,中高生の方に刑事裁判に興味を持っていただくことが目的の一つなので,ユーモアを交えたシナリオ展開となっています。

私個人は,弁護人役として目撃証人に対する反対尋問,公判廷での審理を踏まえて弁護人の意見を述べる最終弁論を担当させていただきます。

演劇とはいえ,こちらもある程度真剣にやらなければ,実際の刑事裁判のリアルさが観ている方に伝わらないと思いますし,実際の事件の弁護人となったつもりで頑張りたいと思います(そして,目下,他の弁護士の先生方と稽古中でもあります)。

裁判員制度が導入されている現在,市民一人ひとりに裁判員に選ばれる可能性があり,選ばれた場合には,刑事裁判に参加したうえ,一人の人間に対する刑罰を決める,という大変重い責務を担うことになります。

法廷に出された証拠から本当に被告人は有罪だといえるのかどうか,中高生の参加者のみなさんには,様々な観点から検討を加え,他の参加者の方と議論をしたうえで,自分なりの結論を考えていただきたいと思います。

私自身も,みなさんのことをできる限り悩ませるとともに,刑事裁判のエッセンスをお伝えできるように,ぎりぎりまで内容を検討させていただこうと思います。

やはり,楽しくいろいろと考えて,他の方とも話し合っているうちに,気づいたら刑事事件のエッセンスが身についていたといえるようなイベントにできることが理想でしょうか。

そして,今回の経験が皆さんにとって,刑事裁判だけでなく,社会の仕組みや現実のニュースについて深く考えるきっかけになってくれれば,とてもうれしいですね。

私自身も,審理後の評議には加わりますので,中高生のみなさんの新鮮な視点からの議論を心から楽しみにしております。

また当日の話について,このブログの中でお伝えできればと思います。