ご近所トラブル

名古屋の弁護士中里です。

今回は,ご近所トラブルについてコメントします。

ご近所トラブルといっても多種多様です。

マンションの場合であれば,上の階の住人(特に子供)の歩く音,走り回る音がうるさい。

窓を開けているとご近所さんがベランダで吸っているタバコの煙やにおいが自分の部屋に入ってくる。

音楽やテレビなどの音量,子供の泣き声がうるさい。

私も,過去にご近所からの騒音や煙害などの被害に悩まされたことがありますので,被害を受けている方がどれだけ辛い思いをされているのかはある程度共感できます。

 

これらのご近所トラブルについては,法的にはどのような措置が可能なのでしょうか。

まずは,ご近所さんの騒音や迷惑行為などが,社会生活上受忍すべき程度を超える場合には,被害者は,加害者に対して不法行為に基づく損害賠償を請求することができます(民法709条)。

しかし,社会生活上受忍すべき程度を超えるかどうかの立証は被害者側がする必要がありますので,困難を伴います。

騒音であれば,騒音測定を行う,騒音の時刻,継続時間,頻度等をメモしておくことが重要となります。

損害賠償請求ができるとしても,実際に訴訟で損害が認められると認定してもらうためにはなかなかハードルが高いように思われます。

 

また,人格権に基づき,受任限度を超える騒音を発生させる行為の差し止めを請求することも考えられます。

もっとも,この差し止め請求は,損害賠償請求よりもハードルが高いです。

 

弁護士に頼む費用,解決までにかかる時間,経費,実際に損害が認められる可能性,損害(慰謝料など)がどれくらいになるかなど総合的に考慮して,騒音トラブルについて弁護士に頼むかどうか検討してみてください。

 

平穏に生活できることこそ一番の幸せだとも考えられますので,常日頃,当たり前のこととはいえ,自分の行為が周囲の人に迷惑をかけていないかどうか考えてみてください。