改元

明日の皇室会議で,今上天皇の譲位の日程が決定されるとのニュースを見ました。
平成31年4月30日が濃厚とのことですが,もしそうだとすると翌5月1日から新たな元号が使用されることになりそうです。
ところで,元号について,法律ではどのように規定されているのか,気になって調べてみました。

そもそも,日本において一番初めに用いられた元号は,日本書紀によれば,「大化の改新」で有名な「大化」であるとされています。
もっとも,
元号について法律により制定されたのは明治時代になってからで,明治時代から第二次世界大戦終結までの間は,旧皇室典範の12条に基づき,天皇陛下の践祚(せんそ,皇位の象徴である三種の神器を先帝から受け継ぐこと)があったときのみ新たな元号を制定すると定められました。
ちなみに,「明治」の由来は,中国の古代の書物であり,儒教の基本書物である五経の一つである『易経』の,「聖人南面して天下を聴き、明に嚮(むか)いて治む」という言葉の「明」と「治」を取って名付けられました。
なお,「大正」の由来は『易経』の「大亨は以って正天の道なり」で,「昭和」の由来は『書経』の「百姓昭明、協和万邦」,「平成」の由来は『史記』の「内平かに外成る」と,『書経』の「地平かに天成る」だそうです。

第二次世界大戦後に旧皇室典範が廃止され,昭和という元号は根拠条文のないまま事実上使用されてきましたが,1979年(昭和54年)に元号法が制定され,昭和という元号に再び法的な根拠が与えられることになりました。

ちなみに,元号法は,わずか2条からなる,日本の法律で一番条文が短い法律です。

元号法
1 元号は,政令で定める。
2 元号は,皇位の継承があった場合に限り改める。