高次脳機能障害と将来介護費

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている,弁護士の青山です。

交通事故に遭い,高次脳機能障害が残った場合,将来の介護費が認められることがあります。

常時介護を要する場合が通常ですが,常時介護を要しない場合でも,介護の必要性の程度,内容に応じて減額されることがありますが,認められる可能性があります。

自賠責保険の後遺障害等級別表第1の1級及び2級の場合に認められることが多いですが,3級以下の後遺障害等級でも症状や状況次第で認められることがあります。

これまでの裁判例をみると,たとえば,併合3級(高次脳機能障害5級2号,外貌醜状7級12号,右眼視野欠損13級2号)の後遺障害につき,日常生活動作は自立しており,日常生活全般にわたり常時介護を要する状態とは認められないが,時に看視や声掛けを要し,平衡機能障害により家事が制限され,外出の際送迎や付き添いが必要である場合に平均余命まで1日4000円の将来介護費を認めた事例があります。

また,高次脳機能障害3級3号の後遺障害につき,自宅で一人で過ごしていることが多く,近くのコンビニに買い物に行ったりリハビリのため通院したりすることがある事案で,平均余命まで1日当たり3000円の将来介護費を認めた事例があります。

これに対し,近時,高次脳機能障害5級2号の事例で,時には家族の援助や配慮を要することがあるとしても,随時の声掛けや監視が欠かせない状態とまでは認められないとして,将来介護費を否定した裁判例が東京地裁から出ました。

従前の裁判例と比較すると厳しい判断な気もしますが,将来介護費については裁判所の判断も分かれる部分なのでしょう。

弁護士としては,将来の介護費が問題となる事案では,介護の必要性を具体的に主張・立証する必要性があります。

 

話は変わりますが,当法人のホームページに掲載している,弁護士やスタッフの集合写真を,この度変更いたしました。よろしければ,一度ご覧ください。

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