交差点での出会い頭の事故等,動いている車同士の事故の場合は過失割合が問題となります。
過失割合は,通称判例タイムズと呼ばれる書籍を参考にして判断されることが多いです。
判例タイムズは,東京地裁民事交通訴訟研究会が監修したものであり,過去の裁判例等を
素材に事故状況を類型化し(かなり詳細に類型化されています),過失割合の目安を定め
ているものです。各類型ごとに基本の過失割合が定められております。
もちろん,この判例タイムズ記載の過失割合はあくまで目安ですので,具体的な事案によ
っては判例タイムズとは異なる過失割合が認定されるケースもあります。
また,具体的な事案ごとに基本的な過失割合だけではなく修正要素が定められております
が,どのような場合がこの修正要素にあたるのかの判断が明確ではない場合が意外と多い
のです。
例えば,「著しい過失」「重大な過失」は多くの累計で修正要素として記載されておりま
すが,飲酒運転,スマートフォンの操作等,明らかにこれらに該当すると考えられるもの
の,「著しい過失」「重大な過失」にあたるのかの判断が難しいケースもあります。
このような場合は,過去の裁判例などをつぶさに分析することが必要となります。
つづく