弁護士業務とマネーロンダリング

平成30年に入ってから,弁護士が依頼者様から事件の依頼を受けるにあたって,本人確認を徹底することが,日本弁護士連合会から強く要請されるようになりました。

これにより,契約する場合には面談の上身分証明書の提示を受けることや,郵送で契約書の取り交わしをする場合には住民票上の住所に,転送不要郵便にて,依頼者様が受け取ったか否かが確認できる配達証明付きの郵便で送付すること等が要請されるなど,非常に厳しくなりました。

このように本人確認が厳しくなった背景には,弁護士業務がマネー・ロンダリングに悪用されるリスクを減らすことがあります。

マネーロンダリングとは,犯罪等で得られた違法な資金を洗浄することを意味します。

例えば,弁護士が依頼を受けて手続きに要する費用を弁護士の預かり金口座に入金してもらい預かったところ,その後,依頼者から「解決しそうなので弁護士に依頼する必要がなくなった」などといわれ,預かり金の返還を求められる場合です。

この場合,預かった費用が実は違法な資金であり,弁護士の預かり金口座を経由することで,その金銭の出所が不明瞭になり,その結果,弁護士がマネー・ロンダリングに利用されていることになります。

弁護士法人心でも,平成30年に入ってから依頼者様の本人確認を強化しておりますが,これはこのような背景がございますので,ご理解,ご協力のほどよろしくお願いいたします。