体罰の問題

すっかり秋らしくなりましたね。

最近,弁護士としてスポーツチームでの体罰の問題を取り扱うことがありました。

私が学生の頃は,今ほど体罰について厳しくなく,私自身も体罰を見ても,特段激しいものではなければ,特に違和感を覚えていなかったように思います。

しかし,現在はいじめや体罰の問題がメディアでもよく取り上げられ,大変厳しくなっていますね。

もちろん,生徒から教員に対して暴力行為等が行われた場合,あるいは他の生徒に対して暴力行為等が行われていた場合に,これらを回避するためにやむを得ずした有形力の行使は,正当防衛,緊急避難,正当行為等として許されます。

しかしながら,上記に当てはまらない場合,有形力の行使が許されるのかは非常に難しい問題です。

学校教育法11条は,教員に教育上必要があると認めるときは,「懲戒」を与えることができると規定する一方で,「体罰」を禁止しており,許される「懲戒」と「体罰」の区別が問題となります。

判例は,有形力の行使があったことのみで,直ちに「体罰」であるとするのではなく,目的,態様,継続時間,その他の様々な事情を考慮して,個別的なケースごとに「体罰」に該当するかを判断しているようです。

大阪市の高校のバスケ部で起こった体罰問題等をみると,このような問題が二度と起こってほしくないと思います。他方で,現場で教育に当たる方々の苦労を思うと,頭が下がります。