頸椎捻挫と目の調整機能障害

弁護士として,交通事故により首を負傷した方のご相談にのっていると,たまに目の不調を訴えられる方がおられます。

頸部を捻挫すると頸部に存在する交感神経が過度に緊張することにより,めまい,吐き気,耳鳴り,視力の低下などの症状がでることがあるとされており,頸部を負傷後に目の不調が生じている場合は,目の不調は交通事故により負った頸部の負傷に起因している可能性があります。

 

ただ,目の不調が交通事故に起因するものなのか,目の不調と交通事故との間に相当因果関係は認められるかを争われることが多く,争われた結果,目の不調と交通事故との間の相当因果関係が認められないことも多くあります。

そのため,目を直接負傷していないような場合に目の不調を訴えたとしても交通事故の相手方が加入している任意保険会社などは眼科の治療費の支払いを拒否することが多いです。

 

しかしながら,治療費が支払われないからといって,症状があるにも関わらず病院で治療を受けていないと事故後に目の症状が出ていたこと自体を証明する方法がないとなってしまう可能性があります。

事故後気になる症状があるのであれば,たとえ保険会社が治療費を支払わないと言っていても,事故後の目の不調について病院を受診し,診察や検査などを受けておくことが必要となります。

 

立証が難しい症状に悩まされている被害者の方の力に少しでもなれればよいと思っています。