TFCC損傷

交通事故に遭った際,転倒するなどして手首に強い外力が加わるとTFCC(三角繊維軟骨複合体)を損傷することがあります。

手首に強い外力が加わった後,手首の腫れ,握力の低下,持続する手首の運動時痛,手首を外側にひねった時に痛みが生じるといった症状がある場合は,TFCCが損傷している可能性がありますので,注意が必要です。

 

 

TFCCは,それ自体は軟骨で構成されているため,レントゲンには写りません。

そのため,レントゲンしか撮っていない場合,TFCCに損傷が生じていることに気づかないことが多いです。

 

 

手首等の関節部分に生じた痛みは,器質的損傷がないと自賠責で後遺障害が認められ難い傾向があります。

そのため,交通事故により負った傷害により残存してしまった症状について適切な後遺障害の認定を受け,生じた損害に見合った賠償を受けるためには,MRI等の検査を受け手首にTFCC損傷といった器質的損傷が生じているかを確認しておくことが重要となります。

 

なお,TFCC損傷は,交通事故以外の要因でも生じることがあるため,MRI検査の結果TFCCの損傷が発見されたとしても,事故態様等により交通事故とTFCCの損傷との間の相当因果関係が否定される可能性があることには注意が必要です。

 

弁護士として,交通事故被害者の方が適切な損害の賠償を受けられるよう活動していきたいです。