事故と因果関係のある整骨院治療期間は10日ないし14日と認定した裁判例

自保ジャーナルN01977に「高速道路で落下物を避けスピンして受傷した柔道整復師らの事故と因果関係のある整骨院治療期間は10日ないし14日と認定した」裁判例が紹介されていました。

同裁判例では,「柔道整復師による施術費を損害として請求できるためには,原則として,施術を受けることについて医師の指示を要するが,医師の指示がない場合には,施術の必要性・有効性があり,施術内容が合理的であり,施術期間が相当であることの各要件を充足することを要する」とされ,被害者が負った怪我は,頸椎・腰椎等の捻挫・打撲であり「神経学的検査及びレントゲン検査の結果異状は認められず,その症状は専ら自覚症状に止まり,医療機関に受診したのも初診時だけに止まり,受けた治療も消炎鎮痛外用塗布剤の処方に止まること,医師の診断は診断時から10日というものに過ぎなかったことが認められる」として,整骨院での施術費について10日分についてのみ,損害として認定されました。

整骨院への通院は7カ月間に渡っていたものの7カ月間もの施術期間を要した理由は証拠によって明らかでないとして,初診時の診断書に基づいて事故と因果関係のある整骨院治療期間が認定されています。

事故と因果関係のある施術期間はどの程度なのかを立証するためにも整形外科等へも通院し医師診断を定期的に受けることが重要と言えそうです。