合理的意思決定とゴミ箱モデル

皆様は,何をするか決める=意思決定するとき,どのように考えて決めていますか。

 

伝統的に,経済学では,合理的な個人を想定した上で議論を進めることが多くありました。

しかし,実際には,色々とよく考えてから決めることもあると思いますが,思い付いたことをそのまま実行したり,これまでこれをしていたから今日もするということもあると思います。

実際には,すべてのことをよく考えて決めようとするのは,これを処理するコストを考えると不合理であり,単純な意思決定や,より高度な意思決定であっても,深く考えることなく=非合理に決めることもあるのではないでしょうか。

 

自分はすべてのことをきちんと考えているという人がいたとしたら,たとえば今日食べたランチを思い出してください。

ランチを食べるにあたり,考えうるすべての選択肢をあげた上で,自分が今日朝食べたものや昨日食べたものを考慮し,今月末までのランチに使える予算制約や,ランチにかける時間とその他にかける時間等を考慮したうえで,十分に検討して今日はコンビニの鮭おにぎりで済ませるという選択はしていないと思います。

 

その時の状況や気分を踏まえ,いくつか思いついた中から直感で決めていませんか。

 

このことは,実は会社(組織)であっても変わらないのではないかという考え方があります。

そのようなことを説明する一つのモデルが,ごみ箱モデルです。

 

私が理解する内容のイメージは以下のとおりです(正確な理解は専門書を参照ください)。

何かを決定するとき(選択機会)があり,それを決めるのに関与する人(参加者)がいて,

考え方やアイデア(解)があり,少なくともこれだけは考慮すべきこと(問題)がある状況を想定します。

意思決定は,上記4つが独立であり,それらが出会ったときに(あたかも,上記の4つが適当にゴミ箱になげこまれたときに)される,というものです。

人は,色々な課題に直面し,これを解決する考え方やアイデアを探す,というように一般には考えられていますが,実際には決定はそれほど思慮されることなくなされたり,時間に追われる中で一応の結論がなされたり,先にアイデアがあって問題が見つかるといったことも多いのではないか,というのが上記モデルの理解です。

 

私たち弁護士の仕事は,上記モデルではなく,問題があり,これを法律上の観点から解釈し,解決策を探し,決定することです。

その仕事に価値があるのは,むしろ,人はそれほど合理的ではないからかもしれません。

そのようなことを,考えてみました。