捨印

契約書等に捨印を押印することを求められたご経験のある方は多いと思います。

捨印の利用方法としては,明確な誤記があった場合などに,捨印により修正をすることが想定されているとはいえますが,なんでも好きなことを書かれるのではないかと不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

 

そこで,捨印の効力がどう考えられているか,確認してみました。

捨印については,最高裁昭和53年10月6日判決で,一定の考え方が示されています。

この事案は,金銭消費貸借契約証書において,遅延損害金の記載欄が空白だったのを,捨印を利用して年3割と補充をして抵当権設定登記がなされた事案です。

判旨としては「捨印があるかぎり,債権者においていかなる条項をも記入できるものではなく,その記入を債権者に委ねたような特段の事情のない限り,債権者がこれに加入の形式で補充したからといって,当然にその補充にかかる条項について当事者間に合意が成立したとみることはできない。」としています。

上記判例は,捨印により,当然にいかなる条項をも記入できるものではないとして,捨印による訂正の効力を,債権者に委ねたかどうかという判断基準にかからせています。

そして,通常の契約においては,捨印は,明確な誤記の修正を委ねる趣旨といえると思います。

上記判例及び通常の契約の趣旨を考えると,捨印で契約の内容に関する修正を行うことは,原則として認められないと考えられます。

 

中小企業と民法改正

9月13日,名古屋青年税理士連盟にて,「中小企業と民法改正」というタイトルで講義をさせていただきました。

 

税理士の先生方にとっても非常に関心の高い分野のようで,皆様真剣に聞かれていました。

 

私も,施行までに,より改正民法の理解を深めておく必要があると感じました。