年末のご挨拶

今年もあと残すところ数時間となりました。

私にとって,今年は生活が非常に大きく変わった1年でした。

相続弁護士にとって,今年最大のニュースは,婚外子相続差別違憲決定(最高裁平成25年9月4日大法廷決定)でしょう。

これまで,非嫡出子(婚姻関係にない男女の間から生まれた子ども)の相続分は,嫡出子(婚姻関係にある男女の間から生まれた子ども)の相続分の2分の1と定められていました(改正前民法900条4号)。

しかし,最高裁は,これを法の下の平等に反するとして違憲無効であると判断しました。

周りの反応を聞くと,若い世代では不平等でおかしいから,違憲であっても当然であるという反応が返ってくることが多いです。

これに対して,上の世代では,家族の財産が,家族でない人にも平等に渡ってしまうことに違和感を感じる方が多いようです。

私が聞いたのは,おもに東京の知り合いですが,もしかしたら名古屋や大阪といった地域によっても,考え方は異なるのかもしれません。

 

それでは皆さま,よいお年を。来年もよろしくお願いいたします。

妻名義なのに「夫の預金」?

少し古いですが,平成25年12月18日付日経新聞です。

妻名義の預貯金であっても,夫の財産であるとされて,相続税の課税の対象になることがあります。

よく,名義が妻だから大丈夫,と考える方がいらっしゃいます。

しかし,実際には,誰がお金を出しており,誰が管理していたかということが主に問題になります。

名義が妻であるから,妻のものだとはいきません。

 

妻が贈与を受けたと主張することもありますが,贈与が本当にあったと認められるかどうかも難しい問題があります。これは非常に難しい法律判断を含むので,このように対処しておけば大丈夫と一言でいうことは,困難です。

不安であれば,きちんと相続や相続税に強い弁護士や税理士に相談して,申告漏れがないようにするほうがよいでしょう。

2人の母「自然な姿」

平成25年12月30日付日経新聞です。

現在,「家族」が揺らいでいるそうです。
この記事では,女性2人で子育てをしながら生活する方が紹介されています。また,嫡出子と非嫡出子の相続分についての違憲判決にも言及しています。

 

日本国憲法には,「婚姻は,両性の合意のみに基づいて成立し,夫婦が同等の権利を有することを基本として,相互の協力により,維持されなければならない」と規定されています。日本国憲法が成立した当時,結婚は男女がするものという意識があったから,「両性」の合意とされているのだと思います。

しかし,現在では,新聞で紹介された女性2人の「家族」や,男性2人の「家族」といった,多様な家族が成立しています。そうであれば,結婚は同性同士であっても良いのではないかとも思えてきます。

すぐに改正というわけにはいきませんが,弁護士としては,新たな価値観を受け入れる,柔軟な思考を常に心がけたいと思います。

経営者以外も容認へ

平成25年12月29日付日経新聞です。

タイトルだけ見ても何の事だかわからないです。サブの見出しは,「個人保証,資金繰りに配慮」です。

中小企業への貸付を行う際,これまでは,経営者やその家族が連帯保証人となることが通常でした。このため,中小企業が返済を行えなくなると,経営者やその家族が代わって借金を返さなければいけないこととなっていました。

しかし,事情を知らない家族が保証人とされてしまい,多額の借金を返済しなければならない場合があることが問題として指摘されていました。そのため,債権法改正で,中小企業に貸し付ける場合には保証人を経営者に限るとする改正案が検討されていました。この保証人を経営者に限るとする改正案に対しては,中小企業の資金繰りが困難になる恐れがあるという問題点が指摘されていました。

今回のニュースは,中小企業への融資の場合,保証人となる方の自発的な意思が確認できれば,経営者以外であっても保証人となることを認めるという案になったということです。

消費者保護は大切ですが,バランスが難しいです,というコメントでお茶を濁してもよいのですが,少し違う観点から議論をしてみたいと思います。とはいえ,これから書くことは思いつきで

法律の専門家である弁護士からすると,不思議な話にも思えてきます。そもそも民法の原則は,自由な意思で対等の2当事者が契約を締結することが前提にあります。ですから,すべての契約は,自由な意思で「自発的に」契約が締結されていることになります。

当然,民法が想定する対等な関係にないからこそ,今回の改正案のように保証人となる方を保護する方向での改正案が検討されているのです。私は,個人で保証人となる方を保護するという方向性は非常に望ましいと思います。ですが,このような改正は消費者保護関連の法律などで行うべきなのではないでしょうか。

例えば,民法では,お金の貸し借りについて,金利に制限を置いていません。これは,自由な意思で契約を結ぶ当事者を想定していることから,契約は自由であるという考え方からです。そして,不当に高い利息を制限しているのは,利息制限法という別の法律です。

法律家としては,この改正によるメリットデメリットに目を向けることはもちろんですが,それ以上に,民法の原則を変えることになるという問題について,十分に議論をする必要があるものと思います。

家事調停 増える越年

日経新聞平成25年12月28日付の記事です。

タイトルに家事調停とありますが,家事調停という言葉に馴染みがない方もいらっしゃると思いますので,ご説明させていただきます。

「家事調停」とは,家庭裁判所による調停の手続きです。一言でいえば,家族に関する問題について,裁判所で話し合いを行う手続きのことを言います。

例えば夫婦の一方配偶者が離婚をしたいと考えているけれども,他方配偶者が納得してくれないという場合です。この場合に家庭裁判所に申し立てを行うと,家庭裁判所で,調停委員を交えて,話し合いが行われることになります。

新聞記事に戻りますが,現在,家事調停が長期化しているようです。もともと調停は話し合いの手続きなので,双方が合意しなければ話し合いが続けられることから,時間のかかる傾向にあります。それが,近年,さらに長期化しているとのことです。

長期化の理由として,家族観が変化してきていること,特に子どもとの面会交流については長期化する傾向があるようです。

日経新聞では,おもに東京家裁の話をしていますが,事情は名古屋でも同じだと思います。

離婚弁護士,相続弁護士としては,当事者の方がじっくりと考えて納得する時間は非常に大切だと思います。ただ,長期化することは当事者に負担ですし,感情的な対立を深刻にしてしまう場合もあるので,早く終わったほうがよいとも考えています。

そこで,ぜひ,調停をする方にお願いしたいことがあります。それは,調停を申し立てる際には,離婚や相続に強い弁護士に依頼してほしいということです。

弁護士を立てることで,事件の見通しがよくなり,また,依頼した方の主張も明確となります。その結果,調停委員にも,依頼した方の話がよく伝わるようになります。

また,離婚や相続に強い弁護士は,必要な資料の収集も事前に行い,また相手方にも早い段階から資料の提出をお願いするなど,段取り良く調停に望みます。その結果,調停で必要以上に時間がかかるということが少なくなります。

ですから,ぜひ,調停に望む前に,離婚弁護士,相続弁護士に相談をしてみてください。

任天堂株の相続

平成25年12月26日付日経新聞によれば,任天堂の筆頭株主の方がなくなり,筆頭株主の方が保有していた株を,子ども4人が相続したようです。
保有していた株式は1416万5000株ですので,時価でおよそ2000億円弱になります!!

新聞によれば,この株式は,息子2人が590億円分ずつ,娘二人が390億円分ずつ相続することになったようです。

当然,これだけの金額の株式を相続したとあれば,相続税が非常に大変です。
これについて,任天堂は,要請があれば自社株買いを行い,納税資金の確保に協力するようです。

企業のオーナーの方がなくなり,非上場株式の相続により多額の相続税が発生する場合,自社株買いを行うことが納税資金対策の一つの手法です。これは,納税資金を会社を通じて確保することができるとともに,会社としても株式が外部に流出して外部の方が大株主となることを防ぐというメリットがあるからです。
今回の任天堂株も,上場株式ではありますが,株式数が多かったことから,同様の問題が生じました。

それにしても,金額が非常に大きいですね。任天堂は京都の会社ですが,名古屋にも大企業はたくさんあるので,同様の事案はよく発生しているのではないでしょうか。

皆さまも,事前の相続対策を,始めてみてはいかがでしょう。
その際には,相続に詳しい弁護士などへご相談ください。

レ・ミゼラブル

最近見たDVDです。

『レ・ミゼラブル』

小説自体は小さい頃に読んだはずですが,内容は全く覚えていませんでした。

この映画では,ジャンバルジャンを追いかけるジャベールの執念や,コゼットとマリウス,エポニーヌの関係などを主題として映画化しているようです。

ミュージカル仕立てで非常に盛り上がり,テンポも良く話が進んでいくため,最後まで楽しめました。

細かな衣装や舞台セットに全く違和感がないことや,ジャンバルジャンを追いかけるジャベールの執念や,逆にジャベールに自分の行き先を伝えるジャンバルジャンの関係が,非常に魅力的に感じました。

ただ,小説の大作を映像化する際の宿命ですが,魅力的なシーンを中心に映像化するため,話の流れがよくわからない箇所がいくつかあります。

余裕があれば,次は原作小説にチャレンジしようと思います。

元妻から子供連れ去る

日経新聞のニュースです。

DVから逃げるために元妻が転居して,住民基本台帳の閲覧を制限したにもかかわらず,元夫が住民票の写しを入手してしまった事件がありました。この事件は,数ヶ月前に離婚した元妻の住所を,住民票の写しを得て突き止めて,子どもを連れ去ったようです。

DVやストーカーの被害者が,配偶者などに転居先を知られないように,DV・ストーカー行為等の被害者保護の支援措置を申し出ることで,住民票などの閲覧を制限できる制度があります。

今回も,この制度を使って閲覧を制限していたようです。
ただし,閲覧を制限していても,正当な理由があれば開示が認められることから,例えば借金の回収という理由があれば開示が認められてしまうようです。

今回は,新聞によれば虚偽の借用書を用いて住民票の写しの交付を受けたようです。

虚偽の借用書を用いることが認められないのは当然ですが,開示を受ける必要性と,被害者保護のバランスをどこに取るかは非常に難しい問題であると思います。

夫婦円満のコツは?

名古屋の離婚弁護士,中村正樹です。

少し古い記事ですが,日経新聞平成25年12月14日付の日経プラス1

「夫婦円満のコツは?」という特集がありました。

「今年一番の感謝は…」というアンケートで,

妻の第1位は「家事を手伝ってくれた

夫の第1位は「そばにいてくれるだけでうれしい

となっていました。

離婚の案件を扱っていると,逆に夫婦円満について考えさせられます。

今年も残りわずかですが,今年の感謝をお互いに伝えあってみてはいかがでしょうか。