弁護士業界とIT化

1 裁判所のIT化

平成30年3月30日,裁判所から,「裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ」が発表されました。

平成も終わりに近づき,世間では自動運転やAIの発展,ディープラーニングなどといったニュースが飛び交う状況で,裁判所が発表した「3つのe」は以下の内容です。

・e提出

・e事件管理

・e法廷

2 内容

内容は以下のとおりです。

簡略化してますので,詳細はリンク先でご確認ください。

・e提出

オンラインで提出できるようにする。

ちなみに,今は紙を郵送または持参が原則で(答弁書以下はFAXも可能),メールは認められていません。

たまに,エクセルファイルで双方の言い分を整理したりしますが,メールにより裁判所へデータを渡すという運用はされておらず,CD-Rに焼いたりUSBメモリを送付してデータを渡しています。

・e事件管理

訴訟記録をデータ化して,当事者がオンラインで確認できるようにすることのようです。

現状では,双方が提出書類の写しを保管するほか,関係書類を閲覧・謄写(コピー)する場合には,郵送等でやり取りを行っています。

・e法廷

ウェブ会議システムで裁判を行うことをいうようです。

今は,初回の原告は必ず出廷し,その後も原則は当事者(代理人)は出廷しなければいけません。

電話会議システムを利用することもできますが,出廷が原則であるため,遠方なので電話会議にしてくださいとお願いしたら,裁判所がどうするか判断します(近くなら来るようにいわれます)。

電話会議なので,声は伝わりますが,表情はわかりません。

3 ネーミングについて

eというネーミングは,たぶん平成13年のe-japan戦略や,その後の平成16年の通称「e文書法」からとった名称だと思います。

多分,IT化といえばE-mailの活用というイメージの中で,頭にEをつけたのではないかと思います。

上の内容なら,ある意味ネーミングとしては適切なのかなとも思います。

4 税務署のIT化(参考)

税務署の税務申告に関するe-taxは,平成16年に導入が開始され,当初の利用率は低迷したものの,平成20年頃に簡略化されて普及したようです。

税務署は,e-japan戦略に合わせて,導入を進めたのだと思います。

 

「主張自体失当」と「異議あり」

法律用語の中に,主張自体失当という言い回しがあり,弁護士なら誰でも知っています。

 

説明は難しいのと,書籍によって若干定義に差があるのですが,

相手の言い分に対して,法律上の反論を主張しているようだけれど,(仮に言い分が事実だったとしても)反論にはならないよ,

ということを言っています。

 

なお,失当とは,国語辞典では,「その人がやったことが適当とは思われない様子」とされており,主張自体が適当でないという意味になるかと思います。

 

ここまでが前置きですが,この用語,「異議あり!」と同じような語感で,響きがいい気がします。

ドラマやゲームで,「異議あり!」という言葉とともに,猛然と立ち上がり(指をびしっと前に突き出す)イメージがありますが,

「主張自体失当!」も,同じ語感の言葉のような気がします。

実際には,法廷で立ち上がって「主張自体失当!」ということはありません。

 

なお,「異議あり!」自体は,言葉はともかく,民事訴訟規則上に規定があります。

裁判で通常用いられる「異議あり!」は,民事裁判上は,民事訴訟規則115条3項の申立てに当たるものと思いますが,たまにその近くにある条文に引きずられて,同規則117条1項が引用されています。

 

某ゲームでは,「異議あり!」は,相手方の矛盾を暴き証拠を突き付ける際に使われていますが,実際にはそのような使われ方はしません。

その点は,また改めて記載したいと思います。

 

 

法律の国外での適用について

このブログを読まれている方は,多くが日本に住む方だと思います。

日本では,当然日本の法律が適用され,法律といえば,日本の国会で制定された法律のことを指しています。

当然,アメリカに行けばアメリカの法律(州法)が適用されます。

 

では,日本とアメリカの間,例えば飛行機の中はどうだと思いますか。

話を分かりやすくするために,飛行機の中で人を殴ってけがをさせた傷害事件が起きた場合を考えてみましょう。

この場合,日本とアメリカのどちらの法律が適用されるでしょうか。

 

この点について,まずは,どの国で裁判を行うかとどの国の法律で裁くかを分ける必要があります。

まず,裁判を行うことが出来る国についてですが,この点については,

航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約

が定めています。

 

具体的な内容としては,一言でいうと,飛行機が離陸のために作動したときから着陸の滑走が停止するまでの間については,当該航空機が登録された国が裁判を行うこととなっています。

日本からアメリカへの飛行機であっても,全日空なら日本の裁判所で裁判し,デルタ航空ならアメリカの裁判所で裁判します。

1条2項

この条約は、第3章の場合を除くほか、締結国において登録された航空機内の者により当該航空機の飛行中に又は当該航空機が公海の水上若しくはいずれの国の領域にも属しない地域の地上にある間に行なわれた犯罪又は行為につき、適用する。

3条1項

航空機の登録国は、当該航空機内で行なわれた犯罪及び行為について裁判権を行使する権限を有する。

 

では,日本の裁判所で判断するとして,どの国の法律が適用されるでしょうか。

ご想像のとおり,当然日本の法律が適用されるのですが,例えばJFK空港から日本に向けて離陸中であっても,日本の法律が適用されることとなるのは,直感に反するのではないでしょうか。

この点については,日本の刑法が,日本に登録された航空機内の犯罪については日本の刑法で裁くとの規定があります。

 

第一条

1項 この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2項 日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。

 

簡単に提示すると,以下のとおりとなります。

航空機内の犯罪→航空機の登録国で裁判する。→その国の刑法が適用されるか,その国で犯罪になるかを考える。

 

旅行ガイドブック等を見ると,一言で片づけられる内容ですが,弁護士の目から見ると実は非常に複雑な法律の規定があります。

 

 

弁護士と鞄

弁護士は,裁判所へ出かけたり,出張で法律相談へ行ったりと,資料をもって出かける機会が多くあります。

お客様の個人情報が記載されたものや,裁判のための証拠(一つしかない)を持ち運ぶことも多くあります。

 

また,そのような資料を持たなくても,移動中に読む本や財布,携帯電話等,持ち運ぶものは多くあります。

 

そのため,弁護士は,鞄にもこだわっています。

詳しい方は,弁護士が持ち歩く鞄といえばダレスバッグだ,と考える方もいらっしゃるかもしれません。

これは,アメリカのダレス国務長官が使用していたことから,日本でこの名前で呼ばれるようになった,横側が山形のデザインとなっており、口金で留めるようになっている鞄です。

たくさんの資料が入ることから,アメリカでは弁護士や医師がよく利用し,ドクターズバッグなどと呼ばれているようです。

 

私も,業界に入りたての頃は,みなダレスバッグを持っているのかと思いましたが,必ずしもそうではないようです。

普通のブリーフケースを持っている方の方が多い印象です。

また,頑丈さを考えてTumiのバッグを持っている方もいます。

 

私は,肩にかけられて不自然でない利便性から,普段はトートバッグを使用しています。

どうしても荷物が多くなりがちなので,肩にかけられるかどうかで負担が大きく違うため,私的にはトートバッグはマストバイなアイテムです。

 

実は,裁判所に行くと,キャリーバッグを持ち歩いている弁護士を見かけます。

訴訟資料が多くなると,手で持ち運ぶにはしんどいので,キャリーバッグを使うようになります。

弁護士は,キャリーバッグいっぱいの荷物を持ち運ぶことも多く,私も仕事用に会社に一つ置いてあり,月に2~3回程度は,キャリーバッグで裁判所へ行っています。

 

 

 

恋愛感情その他の好意の感情

以前,恋愛についてブログを記載し,その際に恋愛感情の定義が気になる旨を述べました。

 

そこで,恋愛感情その他の好意の感情についてまじめに論じた裁判例はないかを調べてみました。

 

結果として,東京高等裁判所で,構成要件としての明確性という観点で問題になった裁判例を発見しました!

ちなみに,構成要件としての明確性とは,かみ砕いて言うと法律で曖昧な内容を定めて,これを刑罰で罰しようとすると,何をしてよくて何をしてはいけないかはっきりとわからず,運用が恣意的になるなど問題があるから,一般の人が法律をよんだときに,何をしてはいけないかわかるぐらい明確にしないとだめです,ということです。

 

本件の判決文は,弁護士の主張に対して裁判所が回答する形で書かれているため,まずはこれをわかりやすく対応する形で抜粋して引用します。

そのうえで,判決文独特のわかりにくさを避けるため,これを私が意訳した文書を追記します。意訳のため,若干荒々しい内容となるのはご容赦ください。

 

 

東京高等裁判所平成28年(う)第610号

弁護士 『「好意の感情」などというものは、人間の内心の心理状態というそもそも曖昧な概念の中でも、とりわけその外縁を画することが困難な概念であって、このような概念を刑罰法規の要件に掲げること自体不適当である』

裁判官『「好意の感情」とは、一般的には好きな気持ち、親愛感のことをいうと解されるが、ストーカー規制法においては、その構成要件上、「好意の感情」等を充足する目的が必要とされているから、本件規定違反の犯罪が成立するためには、単に一般的に好ましいと思う感情だけではなく、相手方がそれにこたえて何らかの行動をとってくれることを望むという意味での「好意の感情」があり、かつ、それを充足する目的が存在すると認められる必要があると解される。この意味における「好意の感情」は、上記の判断基準に照らしても明確である…』

中村による意訳

弁護士『「好意の感情」なんて,人の気持ちの問題であいまいで,何が行為の感情かはっきりとはわからないのだから,これをもとに罰するのはおかしい』

裁判官『「好意の感情」とは,一般的には好きな気持ち,親愛感のことを言います。

ストーカー規制法では,好きな気持ちなどを充足したいということまで必要なので,好きな気持ちに加えて,相手がそれにこたえてくれるという意味での「好意の感情」のことを言います。

そして,実際に相手を応えさせようという目的が必要です。このように考えれば,一般人が判断できるので問題ありません』

 

恋愛感情についてははっきり述べていませんが,好意の感情については,

①「好きな気持ち,親愛感」であり,

②「相手方がそれにこたえて何らかの行動をとってくれることを望む」ところまで必要ということです。

そして,恋愛感情は,「恋愛感情その他の好意の感情」として,好意の感情の例示となっていることから,上記①及び②に,さらに要件が加わるということになります。

 

 

契約条項における「ものとする」について

弁護士業務の中で,契約書のチェックをしていると,「…ものとする。」と記載している条項を見かけます。

契約書によっては,「…金10万円を支払う」との違いを意識せず,「…金10万円を支払うものとする」と記載していることもあります。

 

しかし,「ものとする」の意味について,意識して用いている場合は少ないのではないかと思います。

そこで,「ものとする」の意味について,調べてみました。

 

法令用語としての「ものとする」は,以下のとおりと解説されています(「する」「とする」「ものとする」「しなければならない」(衆議院法制局法制執務研究会 法学教室No.356 61ページ))

「ものとする」は,まず,①一定の義務付けを,後述する「しなければならない」よりも弱いニュアンスを持たせて規定しようとするとき,とりわけ行政機関に対して義務付けをしようとする場合に用いられます。そのほか,②物事の原則を示そうとするとき,③解釈上の疑義を避けるために,当然のことを念のため規定するものであることを表そうとするとき,更には,④ある事項に関する規定を他の類似する事項につてい当てはめる,いわゆる準用規定における読み替え規定においても用いられます。

 

④を除くと,①弱いニュアンスを持たせたり,②物事の原則を示したり,③当然のことを念のため規定したりするときに用いられることがわかります。

 

上記は,法令用語としての解釈ですが,同じことは契約書においても当てはまります。

 

冒頭であげた,「…金10万円を支払う」と,「…金10万円を支払うものとする」について,

「…金10万円を支払う」は,端的に義務を述べていますが,

「…金10万円を支払うものとする」は,上記①のとおり,弱いニュアンスとなるか,②物事の原則を示すこととなります。

では,毎月10万円を支払う契約の場合,この二つのどちらが適切でしょうか。

 

契約の内容により,考え方は分かれますが,一般論としては,弱いニュアンスだったり,物事の原則を定める条項ではなく,「…金10万円を支払う」と端的に義務として定めたほうが良いといえます。

 

逆に,誠実協議条項ではどうでしょうか。

「誠実に協議の上,これを解決する。」

「誠実に協議の上,これを解決するものとする。」

上記の例では,絶対に誠実に協議をして解決しなければならないという趣旨ではなく,できるだけ話し合いで解決しましょうという趣旨で条項が設けられているといえます。

この場合は,上記②物事の原則を示す条項といえるため,「誠実に協議の上,これを解決するものとする」との定め方のほうが良いといえます。

 

このように考えていくと,契約書では,義務を明確にしたい場合には,「…ものとする」を用いず端的に規定し,条項が抽象的だったり,原則を定める場合には,「…ものとする」を用いるのが良いといえるでしょう。

 

きちんと契約書を作成するときは,弁護士は一つ一つの表現に非常にこだわりますが,そのなかでも「…ものとする」は,きわめて気になる部分です。

 

ここからは余談となりますが,現在,インターネット上に,契約書のひな形が数多く見つかります。

この記事をご覧いただいた方の中にも,インターネット上の契約書のひな形を利用したことがある方はいらっしゃると思います。

しかし,法律の専門家でなければ,そのひな形が「良い」ひな形であるかの判断はつきづらいと思います。

そのときは,この記事を思い出し,「…ものとする」の使い方に着目してみてください。

明確に義務を定めるべき条項で「…ものとする」が用いられているのであれば,その契約書は「良い」ひな形ではないかもしれません。

 

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AIと弁護士

昨今,人がこれまでやっていた仕事をAIが行う,さらに言えばAIが仕事を奪うという記事をよく見かけます。

弁護士業界は,比較的AIにより仕事を奪われない業界であるといわれています。

 

しかし,実際には,ニュースを見ると,そう安心していられないのかもしれません。

「残業代の相談に乗ってくれるチャットbot「AI弁護士 六法あいこの残業代相談」がLINE上で開始」

上記記事で紹介されているAIは,残業代についての相談を,LINEの自動回答で答えるもののようです。

 

また,

「AIを用いて法務の仕事をスマートに——弁護士起業家が立ち上げたLegalForceが8000万円を調達」

上記記事では,主に契約書のレビューを,AIが支援するようです。

 

いずれについても,私は使用してないのでどのようなものかはわかりませんが,もし非常に良い出来であれば,今後の弁護士業界の仕事の進め方は大きく変わり,コスト削減が進んでいくかもしれません。

 

弁護士業界は,民事訴訟法が,従前の紙ベース,郵送ベースでの手続きを前提としていることなどにより,IT化が非常に遅れている業界です。

 

今後,急速な速度でIT化やAI化が進んでいく可能性があり,弁護士もこれについていかなければ,IT,AIを駆使した業務効率化によるコスト削減によりあっという間に淘汰されてしまう恐れもあります。

 

常に新しい技術を導入し,効率化を高める方向で,業務を進めて行く必要がありそうです。

司法試験と民法親族編(親族法,相続法)

司法試験の受験科目には,当然民法が含まれています。

民法は,大きく財産編,親族編に分かれており,私の業務である相続や離婚は,親族編に含まれています。

司法試験の受験科目の中には,親続編が含まれているものの,論文問題での出題率が高くないことから,受験生は,十分に勉強せず,極端なケースでは,「捨てる」といった対応をされることもあり,受験科目の中では,不遇な扱いを受けることが有ります。

なお,手形小切手法も,同様の扱いを受けることが有ります。

 

しかし,実務においては,相談の内容の多くは離婚や相続,親族に関するものであり,親族編の知識は非常に重要となります。

しかも,親族編は,実は理論的に非常に難しい内容を多く含んでいます。

そのため,少し勉強した程度では,正確な理解は望めず,いざ弁護士業務を行うときに,不正確な処理をしてしまう結果となりかねません。

 

司法試験受験生や,修習生は,親族編の大切さを十分に理解し,時間をかけられるときに,じっくりと腰をすえて勉強することを強くおすすめします。

日本弁護士連合会と愛知県弁護士会

全ての弁護士は,日本弁護士連合会に所属すると同時に,単位会(弁護士法上の弁護士会)に所属することとなっています。

例えば私は,日本弁護士連合会と愛知県弁護士会の両方に所属しています。

 

日本弁護士連合会に所属することについては,

弁護士法47条が以下のとおり定めています。

第四十七条 弁護士、弁護士法人及び弁護士会は、当然、日本弁護士連合会の会員となる。

これに対し,弁護士会については,やや複雑な規程ぶりとなっており,

第八条 弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。
第九条 弁護士となるには、入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。
第三十六条 弁護士名簿に登録又は登録換を受けた者は、当然、入会しようとする弁護士会の会員となり、登録換を受けた場合には、これによつて旧所属弁護士会を退会するものとする。

つまり,弁護士となるには入会しようとする弁護士会を経て,日本弁護士連合会に登録の請求をし(9条),日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録される必要があること(8条),弁護士名簿に登録されると,当然に入会しようとする弁護士会の会員となります。

 

日本弁護士連合会という名前の響きから,愛知県弁護士会等の弁護士会は日本弁護士連合会の組織の一部のような印象を受けますが,法律上は独立の法人格を持つ組織であり,弁護士会は日本弁護士連合会の会員という立場になります。

 

歴史的には,単位会は戦前から存在しており,日本弁護士連合会は戦後にできた組織のようです。

 

 

クリスマスは祝日!?

本日はクリスマスですので,法律に関わるクリスマスの話題をします。

現在,クリスマスは祝日ではありませんが,戦前の昭和の時代は,クリスマスが祝日でした!

 

クリスマスが祝日といっても,クリスマスだから祝日だったわけではなく,大正天皇が崩御された日が12月25日だったことから,大正天皇祭という名目で祝日だったようです。

wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%83%BB%E8%A1%8C%E4%BA%8B)によれば,この頃に,クリスマスの習慣が普及したようです。

戦前の祝日を定めた,休日ニ関スル件の規定は,以下のとおりとなります。

休日ニ関スル件(昭和2年勅令第25号)

左ノ祭日及祝日ヲ休日トス

元始祭  一月三日
新年宴会  一月五日
紀元節  二月十一日
神武天皇祭  四月三日
天長節  四月二十九日
神嘗祭  十月十七日
明治節  十一月三日
新嘗祭  十一月二十三日
大正天皇祭  十二月二十五日
春季皇霊祭  春分日
秋季皇霊祭  秋分日

附 則

本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

(引用元)http://www.geocities.jp/nakanolib/rei/rs02-25.htm

弁護士としても,クリスマスが祝日だったほうが嬉しいです。

民事調停を知っていますか?

友人に貸した20万円が返ってこない,ご近所さんと騒音で苦しんでいる,などといったお悩みで苦しんでいる方はいませんか。
弁護士に相談しようとしても弁護士費用が高くついてしまう, 弁護士にお願いするほど大げさな話ではないなどと考えた結果,結局泣き寝入りしてしまったりしませんか。

私がそのような相談を受けた際に,弁護士に依頼するとどうしても弁護士費用が高くかかってしまうなどの理由で,ご依頼を受けることが難しいときに,ご自身で行える手続きとしてご紹介しているのが民事調停の手続きです

民事調停とは裁判所で本人と相手方が,裁判所の調停委員に仲介してもらう形で話し合いを進めます。
事案の解決のため,中立公平な第三者として双方から事情を聞いた上で話をするため,当事者の間で話し合いをするよりスムーズに進むことが多くあります

 

あくまでも話し合いのための手続きですので,お互いが納得しない場合に裁判所が強制的に何かを決めるわけではないのですが,お悩みをそのまま放っておくよりも良い解決になるのではないでしょうか。

民事調停を裁判所に起こすためにかかる実費としては,裁判所に納める手数料と郵便切手だけですので,費用の面をあまり気にせずに利用することができます。

裁判所に申し立てをすると,裁判所が相手方に対し期日に来てくださいと呼び出しをしてくれ,相手方が裁判所の呼び出しに応じて出廷すると,裁判所で話し合いを行うこととなります。

 

弁護士に相談するとお金がかかるからといって躊躇している方は,泣き寝入りする前に,一度ご利用を検討してみてください。

裁判所が作成した「民事調停~トラブルのより良い解決に向けて取り組んでいます~」という民事調停を紹介したものもご確認ください。

 

捨印

契約書等に捨印を押印することを求められたご経験のある方は多いと思います。

捨印の利用方法としては,明確な誤記があった場合などに,捨印により修正をすることが想定されているとはいえますが,なんでも好きなことを書かれるのではないかと不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

 

そこで,捨印の効力がどう考えられているか,確認してみました。

捨印については,最高裁昭和53年10月6日判決で,一定の考え方が示されています。

この事案は,金銭消費貸借契約証書において,遅延損害金の記載欄が空白だったのを,捨印を利用して年3割と補充をして抵当権設定登記がなされた事案です。

判旨としては「捨印があるかぎり,債権者においていかなる条項をも記入できるものではなく,その記入を債権者に委ねたような特段の事情のない限り,債権者がこれに加入の形式で補充したからといって,当然にその補充にかかる条項について当事者間に合意が成立したとみることはできない。」としています。

上記判例は,捨印により,当然にいかなる条項をも記入できるものではないとして,捨印による訂正の効力を,債権者に委ねたかどうかという判断基準にかからせています。

そして,通常の契約においては,捨印は,明確な誤記の修正を委ねる趣旨といえると思います。

上記判例及び通常の契約の趣旨を考えると,捨印で契約の内容に関する修正を行うことは,原則として認められないと考えられます。

 

中小企業と民法改正

9月13日,名古屋青年税理士連盟にて,「中小企業と民法改正」というタイトルで講義をさせていただきました。

 

税理士の先生方にとっても非常に関心の高い分野のようで,皆様真剣に聞かれていました。

 

私も,施行までに,より改正民法の理解を深めておく必要があると感じました。

省略語

先日,家事調停で,調停委員が,「トクジュ」と何度も言い,ご相続人の方が混乱されていました。

「トクジュ」とは特別受益を省略したもので,弁護士の中でも,あまり一般的な言い方ではないと思います。

 

弁護士業界で一般的な省略としては,長い名前の法律を,省略することがあります。

例えば,民事訴訟法は,「民訴法」,刑事訴訟法は「刑訴法」といいます。

20年前には,「チョベリバ」(超ベリーバッド),「チョベリグ」(超ベリーグッド)という言葉が若者を中心に使われたことがあります。

 

「冷コー」や「ビフテキ」などは,今でも使われる方はいらっしゃいますか?

 

最近の私のお気に入りの略語は,「TKG」(卵かけご飯)です。

送付と送達

民事訴訟において,送達とは,「当事者その他訴訟関係人に対して,訴訟上の書類の内容を了知させるために,法定の方式に従って書類を交付し,または交付を受ける機会を与える裁判所の訴訟行為」です。

つまり,相手方にきちんと書類を届けること,そのために裁判所の行う厳格な手続によること,です。

特別送達という物々しいハンコが押された封筒に入って送られてきます。

例えば裁判が始まるときの「訴状」は,被告に対して送達されます。

 

これに対し,家事事件手続法では,審判,調停については,申立書の写しの送付(場合によっては審判,調停が申し立てられたことの通知)がされることとなっていますが,送達ではないため,厳格な手続によらなくてもよいこととなっています。

なお,家事事件手続法においても,送達の規定は準用されているのですが,実際には送達を行う条文はなく,裁判所の裁量に委ねられています(家事事件手続規則には,一部定めがあります。)。

つまり,裁判所の裁量で,審判申立から審判が出て審判書まで,全て相手方に送達せず手続を進めることも可能ということです。

 

送付の場合には,厳格な手続によらず普通郵便で送ることもできるため,裁判所により本人が受け取ったことの確認が取れなくても,手続が終了することとなります。

 

立法者意思としては,柔軟に裁判所が判断するということなのかもしれませんし,わざわざ家事事件手続法で「手続代理人」というように,民事訴訟との違いを際立たせたかったのかもしれませんが,送達しないで手続が進むというのは,弁護士の視点から見て疑問です。

弁護士と椅子

弁護士は,椅子に座って書面を作成したり,記録を検討したり,本を読んだりと,椅子に座っている時間が非常に長い職種です。

 

そこで,座りやすい椅子を検討してみました。

1 座り方

前傾,後傾の2パターンがあり,キーボードを打つ場合には,後傾姿勢が良いようです。

ちなみに,私はキーボードを打つ場合も前傾姿勢です。

2 座り方に適した椅子

座り方が決まったら,これに適した椅子を検討します。

座る際に,腰が90度以下の角度に曲がってしまうと,腰に対する負担が大きくなることから,前傾の座り方をする場合には,椅子自体が前傾しているものか,前傾チルトという機能が付いているものがよいようです。

3 座り心地

座る部分や背中部分がクッションになっているか,メッシュになっているかも重要なポイントです。

私は,メッシュに座った経験がほとんどなく,椅子と言えばクッションですが,メッシュは通気性がよく夏に快適とのことです。

4 その他

さまざまな機能があるようですが,大まかにまとめると,高い椅子には理由がある,ということのようです。

いろいろと人体にあわせた椅子のつくりになっています。

5 結論

私は,自宅用に,リープチェアを購入しました。

kindle

最近,本を読むときは,出来るだけkindle本を買うようにしています。

紙の本の良さもあるのですが,やはり手軽に持ち運べて,収納スペースがいらない利点にはかないません。

 

ただし,弁護士業務で使う法律書は,書き込みをしたり,パラパラと必要な頁をめくったりすることを考えると,紙の本が使いやすいです。

kindleストアで検索すると,実務で使用できる本もたくさん売られているようなので,今後は法律書もkindleで読んでもいいかもしれません。

恋愛

1 最近事務所に入荷された「法律って意外とおもしろい!!法律トリビア大集合」という本に,法律と恋愛についての記載があり,私も調べてみました。

 

2 現行法令の中で「恋愛」という言葉が用いられているのは,ストーカー行為等の規制等に関する法律だけのようです。

なお,「愛情」が用いられているのは,「身体障害者補助犬法」,「児童福祉法施行規則」です。

 

3 恋愛は,以下のとおり用いられています。

第2条

この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する◆恋愛◆感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。(各号以下省略)

 

弁護士としては,恋愛感情の定義が気になるところです。

正午のことを,午前12時と呼ぶか,午後0時と呼ぶかについて

正午のことを,午前12時と呼ぶべきなのか,午後0時と呼ぶべきなのか,疑問に思われている方がいるかもしれません。

 

これについては,太政官達第337号に定められており,午前12時と呼ぶようです。

 

1 太政官達とは

太政官達とは,明治初期の法令の形式です。

太政官とは当時の行政機関で,今でいう立法,行政,司法を全てになっていたようです。

 

2 上記太政官達で決められた内容

上記太政官達までは,日本は太陽太陰暦を用いていました。

日本で太陽暦を施行するため,太政官達によりこれを定めたようです。

その際に,午前午後の記載についても定めがあって,冒頭のとおり決まりました。

 

3 太政官達の効力

太政官達は議会で決められたわけではありませんが,大日本帝国憲法や日本国憲法制定後も,憲法に反しない限り効力があるとされており,同太政官達は効力があると解されています。

明治初期の法令に効力が残っているというのは,弁護士的に,法律のロマンを感じさせます。

押印と捺印

押印,捺印ともにハンコを押すことを指しますが,法律用語辞典によれば,捺印はかつての用語とのことです。

そこで,法令データベースで捺印を検索してみました。(なお,法令データベースは現在施行されている法令であり,廃止された法令は検索に引っ掛かりませんので,ご了承ください。)

捺印が使われている法令は現在31件あり,最新のものは「保護司の選考に関する規則」(平成13年1月6日法務省令第15号)ですが,その前は昭和28年制定のものとなります。

戦後に制定された法令(現在施行されているもの)で捺印が用いられている法令の数は,たった7件です。

これに対して,押印が使われている法令は現在585件あり,戦後に制定された法令も数多くあります。(戦前でも押印が使われている法令があります)

 

上記からすると,戦前は押印,捺印が(区別されていたかどうかはともかく)両方とも用いられており,戦後になってから押印を用いるのが一般的になったとひとまずは言えると思います。

 

弁護士業務の中で一般的に用いられていますが普段あまり意識することのない押印の用語も,調べてみると様々な発見があります。