「主張自体失当」と「異議あり」

法律用語の中に,主張自体失当という言い回しがあり,弁護士なら誰でも知っています。

 

説明は難しいのと,書籍によって若干定義に差があるのですが,

相手の言い分に対して,法律上の反論を主張しているようだけれど,(仮に言い分が事実だったとしても)反論にはならないよ,

ということを言っています。

 

なお,失当とは,国語辞典では,「その人がやったことが適当とは思われない様子」とされており,主張自体が適当でないという意味になるかと思います。

 

ここまでが前置きですが,この用語,「異議あり!」と同じような語感で,響きがいい気がします。

ドラマやゲームで,「異議あり!」という言葉とともに,猛然と立ち上がり(指をびしっと前に突き出す)イメージがありますが,

「主張自体失当!」も,同じ語感の言葉のような気がします。

実際には,法廷で立ち上がって「主張自体失当!」ということはありません。

 

なお,「異議あり!」自体は,言葉はともかく,民事訴訟規則上に規定があります。

裁判で通常用いられる「異議あり!」は,民事裁判上は,民事訴訟規則115条3項の申立てに当たるものと思いますが,たまにその近くにある条文に引きずられて,同規則117条1項が引用されています。

 

某ゲームでは,「異議あり!」は,相手方の矛盾を暴き証拠を突き付ける際に使われていますが,実際にはそのような使われ方はしません。

その点は,また改めて記載したいと思います。