判決言い渡しと民事,刑事の違い

判決文未完のまま言い渡し 岐阜地裁裁判官、懲戒へ」(日本経済新聞)

岐阜地裁の裁判官が,懲戒される可能性があるようです。

内容としては,本来判決書の原本が完成した状態で判決言い渡しをしなければいけないにもかかわらず,忙しかったために,原本ができる前に言い渡しをしてしまったとのことです。

 

民事の裁判は,民事訴訟法においては,判決は,判決書の原本に基づいてすることとされています(民事訴訟法252条)。

そのため,判決書の下書きを利用して判決することは,同条に違反し違法な判決となります。

 

これに対して,刑事の裁判は,刑事訴訟法においては,判決は,宣告によりこれを告知するとされています(刑事訴訟法342条)。

そのため,判決の下書きで判決を告知しても,違法にはなりません。

実際,判決書は必ずしも判決宣告時に作成されていることを要しないと判断されています(最判昭25.11.17)。

 

上記の裁判官も,刑事事件であれば判決書がなくても懲戒されることはなかったでしょう。