登記申請手続の代理人

別に隠してたわけではないんですけど,実は私,司法書士の資格も持ってまして,最近司法書士会のお仕事もたまに手伝わせていただいています。

その中には,非司調査というものがありまして,要するに,「司法書士の資格のない人が,業として,登記申請手続の代理をやってないか調査する」というものです。

簡単にいうと,登記申請手続の代理業務を,対価をいただいて反復して行うことができるのは,基本的には司法書士だけなので(弁護士とか,会社設立登記における公認会計士など,他の法律で認められている場合は除きます),例えば,行政書士や税理士が,会社関係の登記申請を対価をいただいて行っている,ということになると,ちょっと待ってくださいよ~,ということになります。

調査の内容については守秘義務がありますので具体的にはいえないですけど,そもそもこのような調査を継続的に行なわなければならない状態であるということは,やっぱり行政書士の方や税理士の方による,(あくまで司法書士側から見て,ですが)疑わしい申請というのが一定程度ある,ということだと思います。

しかしこれはなかなか難しい問題で,ギリギリセーフ(アウト?)っぽいものも結構あるでしょうし,そもそも,司法書士会的には非司行為と認定する事例でも,行政書士の側では業務範囲内です,というものもあるかもしれません。

これは,実は弁護士業界と司法書士業界の間でもあるお話しで,弁護士の業界からすると,司法書士の業務が「非弁行為」(弁護士じゃなければすることができない業務を司法書士がやっている)にあたる,ということで問題視することがあります。

有名なところだと,過払金請求訴訟について,どの範囲までなら司法書士が受任できるか,という問題は,結構長い間,弁護士の業界と司法書士の業界とで見解が対立していて,裁判所の判断が出るまでは司法書士側は受任するべきかどうか頭を悩ませることが少なくありませんでした。

なにが言いたいかというと,これらの問題って,それぞれの資格ごとに,自分達の資格を守りたいと思って対立してるけど,そういうのって相談する方々からすると迷惑以外の何物でもないってことです。

だって,うまくいけば過払金が出るかもしれないけど,とにかく借金で困ってる方が,司法書士のところに相談に行ったら,「あ~金額的にウチでは受けられませんね,弁護士に相談に行ってください」と追い返されたり,もっとひどい時だと,いったん司法書士に依頼したのに,「ちゃんと計算してみたらウチでは受けられないので」って言われて弁護士にまわされて時間がかかる,とか,そういうことになってしまうということですから。

登記申請でも,これについては公認会計士に頼んでもOKだけど,あれについては司法書士でないとダメ,となるわけで,そのリスクとか,それぞれの専門家の業務範囲について正確な知識を持たなくてはならない負担を依頼する人に負わせるというのはどうなんだろうな,と思います。

結局私は,司法書士の登録もしている以上は,「だから最初から登記申請は司法書士に依頼してくださいね」って書くのが正解なんでしょうね。