債権法改正 賃貸借①

1 債権法改正について
  最近は相続法改正の方が話題に上ることが多くなりましたが,いよいよ来年の4月1日から(一部を除き)民法の債権法に関する改正法が施行されます。
  大部分が現行民法の下での裁判実務の運用や,判例を明文化したものだ,みたいに言われることもありますが,結構いろいろな部分が改正(かどうかは良く分か
りませんけど変更)されています。
  過失責任から契約責任に全体の発想が変更されていたり,なかなか変更に対応するのは大変なので,自分のためにもこれから何回か,債権法改正について書いて
みたいと思います。
  民法が使いこなせない弁護士というのはあり得ないので,改正か改悪かはよく分かりませんが,変更に対応しないという選択肢はありません。
  とにかく変更点を確認していきたいと思います。
  変更部分は多岐にわたるので,とにかく自分が注目したところからランダムに触れてみたいと思います。
  まずは,賃貸借契約から見ていきたいと思います。
2 賃貸借契約について
  改正民法では,賃貸借は債権各論のうち第7節からスタートします。
  条文でいうと第601条からです。
  変更があった条文は,細かい表現の変更も含めると,第601条(賃貸借),第602条(短期賃貸借),第604条(賃貸借の存続期間),第605条(不動
 産賃貸借の対抗力),第606条(賃貸人による修繕等),第609条(減収による賃料の減額請求),第611条(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等),
 第613条(転貸の効果),第616条(賃借人による使用及び収益),第619条(賃貸借の更新の推定等),第620条(賃貸借の解除の効力),第622条(使用貸借の規定の準用)です。
  新設された条文は,第605条の2(不動産の賃貸人たる地位の移転),第605条の3(合意による不動産の賃貸人たる地位の移転),第605条の4(不動
 産の賃借人による妨害の停止の請求等),第607条の2(賃借人による修繕),第616条の2(賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了),第621条(賃借
 人の原状回復義務),第622条の2(第4款 敷金)です。
  要するに,賃貸借の規定のほとんどが,なんらかの形で変更されており,また,かなりの数の新設条文が存在します。
  しかし,賃貸借に関しては,現行民法から大きく様変わりしたわけではなく,判例の解釈が明文化されたものや,債権法の他の部分の変更に合わせて変更になっ
 た部分がかなりあります。
  次回以降で,賃貸借契約についての変更点を簡単にみてみたいと思います。