農地の競売申立て

以前,名古屋で,相続がからんで複雑な権利関係の土地について競売の申立をしたことがあるのですが,相続以外にもいろいろと問題があり,はじめて知ることも多かったため,お話しできる範囲でその時のお話をします。
 相続中心に弁護士をやっていても,なかなか不動産強制競売の手続を受任することはないのですが,この時は,いろいろな論点が複合的に絡むため,裁判所の執行係だけでなく,法務局や司法書士の先生とも相談しながら申立ての準備をすすめ,いざ申立てという段階で,また疑問が生じました。
 競売の対象となる土地が,地目としては農地となっていたのですが,現況は相続前から駐車場として使用されていたのです。
 この場合,申立ての前に転用の届出をする必要があるのか?
 いろいろ調べたのですがよく分かりませんでした。
 仮に農地のままで競売開始決定が出たとしても,そのことによって売却基準額は下がってしまうのか等いろいろ悩みましたが,悩んだときはやはり問い合わせる方が早いということで,担当の農政課に問い合わせてみました。
 結論としては,農地の競売の場合は,入札希望者が農政課に買受申出書を提出し,買受適格者になったうえで入札する,という流れだということでした。
 ということで,相続人側で競売申出前に転用届を提出するということにはならなかったのですが,相続人がいったん届を出しても,すぐに競売で落札されてまた落札者の適格性を改めて判断する手間を考えると,それでいいのかな,と思いました。