『勝訴』と書いてある白いビラビラについて

 世間で注目を集める事件の判決が出たときに,よくニュースで見かける『勝訴』って書いたあの白いビラビラ。
 選ばれし者だけが持つことを許されるあのビラビラ。
 私は残念ながら弁護士になってからまだあのビラビラを持つ大役を仰せつかったことはないのですが,あのビラビラを掲げる際に,なんかルールってあるのでしょうか?
 ニュース等を見ている限り,皆さん一定のルールに従って掲げていらっしゃるようですし,ビラビラの形とかも決まっているようにも見えます。
 文言も『勝訴』『一部勝訴』『不当判決』とか決まってるようです。
 これって,弁護士業界の慣習にとどまるものなのか,なにか規則等できちんと定められているのか,ちょっと調べてみました。
 
 まず,弁護士業界的には,あれは『ビラビラ』ではなく,『ハタ』と呼んでいるようです。
 なんと,民事用,刑事用,行政事件用と用意してあって,日弁連からレンタルで借りるのが通常だそうです。

 そして,ありました,裁判所的には,あのハタのことは,『判決等即報用手持幡(はんけつとうそくほうようてもちばた)』と呼ぶようです。
 
 ニュース等で見ていると,判決等即報用手持幡(以下,「あのハタ」といいます。だれも『判決等即報用手持幡』って呼んでるの聞いたことがないので。)を持った弁護士は,ダダダーッと走って裁判所の外に行ってあのハタをビラッと広げてますが,あれも裁判所のルールがあるためらしいです。

 『裁判所の庁舎等の管理に関する規程(昭和43年6月10日最高裁判所規程第4号,改正 昭和43年10月30日最高裁判所規程第6号)』の第12条に「退去命令」という条項があり,第1項で,「管理者(注:最高裁判所にあっては最高裁判所事務総局経理局長,高等裁判所にあっては高等裁判所事務局長,地方裁判所(管轄区域内の簡易裁判所を含む)にあっては地方裁判所長,家庭裁判所にあっては家庭裁判所長とする,と規程第2条1項で定められています。)は,庁舎等において次の各号の一に該当する者に対し,その行為若しくは庁舎への立入りを禁止し,又は退去を命じなければならない。(以下略)」と定められています。
 その第9号に,「旗,のぼり,プラカード,拡声機その他これらに類する物を持ち込み,又は持ち込もうとする者」が挙げられています。
 第13条1項4号では,「撤去命令等」として,旗等の所有者又は所持者に対し,その撤去又は搬出を命じなければならない,と定められています。
 そして,規程の第2条4項では,「管理者は,必要があると認めるときは,当該裁判所の職員にその事務の一部を委任し,又は代理させることができる。」とあります。
 
 つまり,あのハタを持って裁判所の構内をプラプラしていると,係の人によって,裁判所からつまみだされてしまうということになります。

 ニュースになる事件とかで,目立ちたいからといって裁判所で手作りのハタを持って歩き回らないよう,お気をつけください・・・